印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第1巻:page 40 -
 そんなことをして騒いでいると、妙な女の子が現れた。巫女装束みたいだから、どこかの神社の子かもしれない。
「おったな! そこを動くな!」
 そう言うと、走り寄ってきた。
「えっと、ゆかり、お前何かしたのか?」
「なんでウチなのよ。あんたかキツネでしょ、きっと」
「俺は巫女に狙われることなんてしてないぞ」
 と言っている間に、おーっと、俺の前だぁ。
「枕部佐とはお前ぢゃな。われも枕部に入れるがよい」
 何だ、このギャップ。美少女巫女なのに、えらい尊大な喋りじゃないか。
「入れるも何も、お前、誰?」
「われは飛鳥、飛ぶ鳥と書いて飛鳥ぢゃ」
「で、なんで入りたいの?」
「枕部別当に頼まれたのぢゃ、飛鳥にも入って欲しいと懇願されたのぢゃ」
 伊周さまが? まあ、河原に行くって言っておいたのは伊周さまくらいだから、言われて来たのはそうなのだろうが。
 当然の疑問をゆかりが聴いた。
「ちょっと待って、なんで巫女が入るのよ?」
「誰が巫女ぢゃ!?
 全員が一斉に飛鳥を指さした。
「ちっがーうっ! われは鍛冶ぢゃ、鉄や銅のことならお任せなのぢゃ!」
 胸を張りえっへんとかやってるが……結構あるかも。そういえば、そういうの伊周さまにお願いしてたのを思い出した。いや、胸が大きい子とかじゃなくて、鍛冶の方な。
「そ、そうか。歓迎するぞ、飛鳥」
 手を出して、握手しようとして……引っ込めた。この時代に握手なんてないよな。
 女の子たちが自己紹介しあっている。飛鳥はしずかとかと同い年くらいっぽい。よく考えたら、枕部って女の子ばかりだけど、いいのか?
 俺はまあいいけど。
 で、思い出した。
 石、拾いに来たんじゃないか、遊んでるだけで何にもしてないぞ。帰って料理しないと間に合わなくなってしまう。
 急いで石を拾わせた。ひとり三個で、十五個、なるべく平らですべすべで、綺麗なものを選んだ。
 すぐに屋敷に戻り、調理開始だ。
「みんな、俺の指示通りに手伝ってくれよ!」
 返事なんて待たずに指示を出して行く。どうせ文句しか言われなさそうだから。
 石をよく洗う係に、しずかと玉藻を任命。シュロの皮でゴシゴシ洗っておくように。終わったら水気を布で拭いて、竈の火の中に放り込んでくれ。
 きゅうりの千切り係には、飛鳥。切ったら水の中に泳がしておくように。文句を言ってないで、いいから細く切っておけ。見ると結構上手いな、刃物に慣れているようだ。
 小麦粉練り係に、ゆかり。最初水を入れて練ったのは俺だが。
 俺はもち米とうるち米を別々にといで水に浸けておく。もち米は精米されたもの、うるち米は玄米である。それから豆乳を少し暖め、にがり投入。固まってきた豆腐を箱に入れ、重しをして水を切る。
 で、水を張った鍋を火に掛けておく。
 飛鳥完了。水に浸けてある萵苣を、そこのお湯(七十度くらいにしてある)に通してから、新しい水で洗ってからよく水を切って、皿に置いて置いてくれ。その後、きゅうりも水をよく切って、萵苣の隣に置くように。「なんでわれがこんなことを」などと飛鳥は文句を言っているが無視だ。
 ゆかりが終わったので、根菜切り係に変更。先に皮を剥け、皮を。あ、そうかピーラーとかないからムリなんだな。飛鳥ができるというので、交代。そう、それくらいで切ってザルに入れてくれ。
 俺は、小麦粉を練ったのにバターを塗って折りたたんだり延ばしたりして、四角いクラッカーみたいなものを作った。
 しずかと玉藻が終わったので、それを揚げてもらおう。できるよな、しずかなら。
 雉は……俺が切るか、女の子にはちょっと残酷だもんな。頭と足先を落とし、良く洗って、腿と手羽を切り取り、皮を剥き胸肉を取る。途中から肉に見えるようになると、残酷さがなくなるな。モモなんて美味そうにしか見えない。
 皮は適当な大きさに切って、塩で揉み、これも揚げてもらう。胸肉は薄くスライスして、にんにく、塩、醤油を加え少し揉んでから皿に盛り、煎りゴマを振りかけた。 腿から骨を取り、モモ肉をぶつ切りにして、醤油と甘葛とにんにく少々で揉み、小麦粉をまぶして、これも揚げる。唐揚げだな。胡椒が欲しいが、んなものはない。
 それ以外の肉を取り、ぶつ切りにしておく。骨は沸騰したお湯に投入して、ぶつ切り肉も投入。
 お、ゆかり、終わったか。じゃあこうやって、出てきた白いの、アクっていうんだけど、これを取ってくれ。鉢に水を張って匙ですくったアクを放って見せた。火傷すんなよ。
 揚げ物が終わったようなので、そっち側の火を移動させる。ちょっと低温にしないといけないんだ。おっと、石もちゃんと移動しないとな。
 じゃ、しずかと玉藻は、クラッカー、そう、その四角いの、それを並べて、こっちのを小さく切って、上に並べてくれ。いいんだよしずか、名前なんて知らなくても。モッツァレラチーズ、言ってみ、モッツァレラチーズ、モッツァレラ。な、言えないだろ?
 飛鳥も終わったな。待ってろ、ガラを取り出すから。よし、飛鳥、野菜投入! 鍋に入れろって意味だよ。
 ゆかり、またアク取ってくれ。
 俺は、豆腐を一度水に放ってから出し、一センチ弱にスライスして揚げる。いや、何十枚あるのよ、これ。低温で揚げるのが終わったら、火を戻して、高温にしてもう一度揚げる。膨らんでくるので、みんながびっくりしていた。
 それから鍋の方に味付け、甘葛と酒と醤油である。
 みんな大体手が空いたな。油揚げをこう三角に切っといてくれ。揚げたばかりのは熱いから気をつけてな。
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