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Update 2014-07-01
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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第1巻:page 44 - |
一号店の開店なので、道隆さま、伊周さまもいらっしゃることになっている。
ちょっとしたオープンセレモニーをするつもりだが、まあ、今日の昼頃というアバウトな告知だったから、どれくらい集まるか分からないのだけれど。 ほどなく、おふたりが牛車で到着された。先日、道隆さまは摂政になられ、その酒宴の料理もしたのだが、それはさておく。 ぞくぞく人も集まって来ていた。 おふたりに並んで、俺が最初の挨拶をする。 「ご一同へ、こちらは摂政さま、ならびに左少将・枕部別当さまである。おふたりのお力により、枕部外局の茶店をここに開くこととなった。それではお言葉を頂戴する」 道隆さまに一言いただく。 「これにおる、枕部佐の尽力により、京に初の店なるものを出すこととあいなった。代金に貨幣を使うが、不足すると思われるため朝廷では貨幣鋳造を急いでおる。皆も多いに活用してもらいたい」 続いて伊周さまもお願いします。 「京が栄えるための第一歩として、この茶店を作った。京に活気が溢れることを主上は望まれている。今後も枕部は色々なことをしていくので楽しみに待っていて欲しい」 「ありがとうございました。いざ、開店である」 おふたりを店に案内するが、他には入ってこない。 そりゃそうだよな。 そこにかねて用意のさくらが二組。 英語で言うとデコイ。 「面白そう、行ってみよ」 「よし、入ってみるのぢゃ」 ゆかりと飛鳥だが、それじゃ棒読み過ぎるだろ。 「……ここが京で評判の店かぁ」 「いっなり寿司、いっなり寿司」 しずかと玉藻も不自然だなぁ…… それでも女の子が入っていくので、ぽつぽつと勇気を出して入ってくる者も現れ始めた。 いや、さくらの皆さん、そんなに頼むんじゃない。玉藻、いなり寿司は飲み物じゃない、ちゃんと噛め、ってか食うな! 伊周さまたちが帰られると、我先にと人が押し寄せるほどだった。 いなり寿司は飛ぶように売れたが、玉藻のひとり大食い選手権のせいかもしれない。 数日経ってみて、店も軌道に乗ってきたようだ。 ここまでのことで、伊周さまは位を上げ、俺も正五位に上がった。 にがり、豆腐・油揚げは別のところで作っている。工場みたいなもんだな。今後、いちじくの樹液もシステム化して採取し、チーズも各種作るつもりだ。 醤油の醸造がテスト段階だが、かなり良い。これは味噌造りの職人に頼んだからノウハウもあったからだろう。 他に、かつお節が試験段階、菜種油は来年のアブラナ栽培が決まっている。 飛鳥と協力して、鋳造も試しているし、それとは別にたたき出しで、いろいろなものを作っている。 陶器で茶碗やどんぶり、お猪口やとっくりなどを作ってもらっているのだが、これは形を書いて、説明するだけだから楽だ。ろくろはあるしな。 もうひとつ、凄いことを考えていて、それを信長に言ったら驚いていた。 何をするかというと金山である。 歴代埋蔵量トップ二は、佐渡下相川の佐渡金山、薩摩菱刈の菱刈鉱山だ。なんで三番目を入れないかというと、北海道で遠いから。このトップ三はまだ発見されていない。 信長にしても、江戸幕府を支えた佐渡金山だと教えたら、家康のものは俺のものと思っているので、それは掘るべきだと言っている。 まあ、これは後々だな。 それよりも、だ。 羅述を書けという催促が日に日に酷くなってきている。 仕方ない、書くか。 そのためにも、万葉仮名が書けないので、玉藻やあかねと一緒に仮名の特訓中だったりする。 それにしても、先生が厳しいのが難点だな。 「ほら、ちゃんとよく手本を見て書きなさいよ。あ、あんたのために教えてるんじゃないんだからね」 ゆかり、誰のために教えてるんだ? (完) |
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