印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page5 -
「お口に合いますでしょうか?」
「美味いです。これって、お母さまが作られたのですか?」
「まあ、お母さまだなんて。薫子かおること呼んでくださいまし」
「わ、分かりました。これは薫子さんが作られたので?」
「はい。もちろんです」
「ゆかりは料理ができないって言ってたんですが、やってないんですか?」
「いつもうちにいないものですから、教えてやれなくて、でも夫となる人がこうして来たのですから、これからは料理も勉強することでしょう」
 夫となるって、もしかして俺か!?
「いえ、そういう関係じゃないんです。仲間というか友達というか」
「最初はそれでもいいじゃありませんか。男と女の関係になれば、すぐに変わりますから」
 食事どころじゃないな、話がエスカレートしてるし。
「俺なんかより、ゆかりに相応しい人がいると思うんですが」
「光さまがいいんです。ご存じないのですか? 京ではあなたを夫としようと女達が争っていますのに」
「まさか」
「本当ですよ。私だってそのひとりですし。ゆかりに弟か妹を作って……」
「ちょーっと待ったぁ!!
 ゆかりが乱入して来た。
「お母さま、いりませんから、お母さまと光の間にできた弟も妹も!」
「私はあなたのためを思って」
「いくらお母さまでも、光だけは譲れません」
「あなたは光さまのことが好きなの?」
「好きです、大好きです。だからウチから光を取らないで」
 最後の方はちょっと涙声だったような気がする。
「ですって、光さま。ゆかりをよろしくお願いしますね」
 薫子さんは、そう言って楽しげに部屋を出て行った。
 もしかしたらカマをかけたのかもしれない。
「ゆかり、お前……」
「な、何よ。好きで悪い? 前にも言ったでしょ?」
「あ、ああ、そんな気もするけど」
「あのね、許すから」
 主語を言え、主語を。
「何を?」
「浮気、っていうか、他に奥さんがいてもいい。ホントはウチだけの光にしたいけど、ムリだもんね。それにウチだけなんて言ったら、表を怖くて歩けなくなるし」
「何のことだ?」
「でも、誰を相手にしていいかとかは、ウチらで決めるから」
「へ?」
「ウチとさやさまとで決めるんだからね」
「お前、何にも関係ないだろ!?
「さやさま初めてじゃないから、ウチが正妻でいいって」
「俺の意見とか気持ちは完全無視か! どこまで話を進めてるんだ!?
 何がどうなっているのかすら理解不能だ。
「だから、羅延ラノベがんばって書きなさいよね」
「どこがどう繋がっての、だから?」
「ウチたちを妻にするには条件があるのよ」
「条件? 妻にする気はないが、話だけは最後まで聞いてやろう」
「羅延を完成させて主上おかみに読んでもらって、どれが一番面白いか聞いて光が一番にならなきゃいけないの」
「何で?」
「話し合ってそう決まったんだから仕方ないじゃない」
 ちょっと待て。
 一番にならなければ、こいつらを妻とすることもないわけだ。さやはちょっと残念だけど。
 よし、つまらないのを書くとしよう。
「でね、もし光が一番面白くなかったら罰を与えるから」
「へ?」
「しずかがね、『……すけべまくらを切り取る』って言ってたわよ。すけべまくらって何?」
 ゆかり、声真似上手いな。
「し、知らん、っていうか、しずかは関係ないだろ!」
「まくらって枕でしょ? すけべって、どういう意味?」
 助平は『好き』を擬人化した『好兵衛すきべえ』から始まった言葉で、江戸初期に上方かみがたで使われ始めたものだから、平安時代にはもちろんない。
 しずかが俺のアレを枕みたいだと言って、佐部枕と名付けたのだ。
 切られてたまるか。
「な、何だろうな?」
「そう、でも決定だから。つまらなかったら切り取ることになってるから」
「えぇーっ!?
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