印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page8 -
 ある若い帝がいらした。
 みやこでは夜盗やとうが出没し、人々は恐怖に夜も眠れないほどだった。
 その首領しゅりょう酒呑童子しゅてんどうじといい、見上げるほどの大男で力も強く、検非違使けびいし蔵人くろうどたばになっても勝てなかった。
 帝は決意した。
「京を、国を守るのはちんの役目! 朕が成敗しに行かなくては」
 たったひとりで酒呑童子を倒すべく、帝は旅立った。
 
 帝が歩いていると、声をかけられた。
「おひとりでとは、水くさいですね」)
 此直これなおだった。
主上おかみ、ご一緒させていただきます」
「この戦いは朕の戦いだと決めましたから、ひとりで戦います」
「私は主上の右腕だと思っています、一緒に戦って当然ではありませんか」
「そうですか……助かります」
 ひとりで戦うと決めてはいても、やはり心細かった帝は嬉しくて涙が出そうだった。
 
 しばらく歩くと、男が待っていた。
「俺を置いていくつもりですか、主上?」
 晄明こうめいだった。
「俺の知恵は主上のため、戦に連れていかなくてどうするんですか」
「晄明も一緒に行ってくれるのですか?」
「当然でしょう、むしろ一緒に来いと言って欲しかったです」
 
 しばらく歩くと、また男が待っていた。
「遅かったではないか」
 桑瀞くわとろである。
「武器も持たずに、どこに行かれるおつもりか」
つるぎなら持っています」
「儂は主上の槍、それをお忘れだと言っておるのです」
「一緒に戦ってくれるのですか?」
「当たり前でしょう」
 3人も来てくれた。
 心強く思ったし、忠義だけではない気持ちが嬉しかった。
 
 ……うん、こんな感じだと喜んでくれるかも。
 ちゃっかり自分たちをイイモンのモデルにしてるのもポイントだったりする。
 まあ、はっきり桃太郎ベースだけど。
 
 などと考えているうちに、茶店に着いた。
 とりあえず、料理の抜き打ちチェックをする。
 タダ飯とも言うが。
 最初の頃のようにごった返すことはなくなったが、それでも客足が絶えない。結構な稼ぎになっているが、儲けは全部朝廷に入るから、俺には一銭も入ってこない。まあ、伊周さまも道隆さまも喜んでいるからいいのだけれど。
 
 それほど混んでいなかったので、店先で食べる。
 うん、OKだな。
 お茶も、大丈夫だ。
 作り方を教えて、伊周さまの荘園(九里林)だけでなく、他に茶を作っているところにも協力してもらっている。宇治の辺りは茶処と言ってもいいくらいだ。玉露式のお茶も作っていて、抹茶にしてみて、信長に飲ませたら「上等」と言っていたっけ。
「あんたが光源氏?」
 突然声をかけられた。
 誰?
 俺と同じかちょっと下くらいの歳だろうか、巫女とは違うけど、似たような着物を着ている。飛鳥の仲間だろうか。
「そうだけど、お前、誰?」
薬師くすし瑠璃るり
「その薬師が何か用か?」
「枕部に入るに決まってるやろ? アホなん? 死ぬのん?」
 これは京都弁じゃなくて大阪弁だな。声的には闇の福音とか悪しき音信おとづれって感じだ。
 よし、逃げよう。
 こういうのに関わって良かった試しがない。
「じゃ、明日の朝に枕部に来てくれ」
 そう言って、しゅたっと手を挙げて去ろうとして、着物を掴まれてコケそうになった。
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