印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page11 -
 書いた文章をしずかに読んでもらい、後は描き上がるのを待った。
 いつも、ゆかりのに合わせて描いた腐ったものしか見ていなかったのだが、普通の絵も上手いじゃないか。
 時間がないので彩色とかはないけど、それなりの見栄えになっている。
「なあ、しずか、これちょっと俺の方で線とか足してもいいか?」
「……いい。光の羅述らのべだから」
 俺は線画に、ベタと効果線を入れていった。オノマトペ(効果音、擬音)も入れたが、万葉仮名なので妙な感じになった。
 ということで、ほどなく完成!
 感謝も込めて、しずかを夕食に誘う。伊周さまのお許しをいただいて、諾とあかねも一緒だ。
 試したい料理があったから、試食会も兼ねている。届いていた荷物の中身は干瓢かんぴょう海苔のりだった。
 夕顔ゆうがおというのはあるが、干瓢かんぴょうにはされていない。夕顔の実というのは、かぼちゃなどと同じ構造で、内側が柔らかく、そこは干瓢にならない。見たことがない人には、糸瓜へちまをつるんとさせて太くしたのとか、ちょっと細めの冬瓜とうがんと言えば分かるだろうか。丸くなるのと細長くなるのがあるから一概には言えないのだけれど。
 その上下を切り、棒を刺し、それを回転させながら3センチ幅程度の紐状に削って干す。現代だと機械回しだが、人力の手回しである。
『のり』は海藻全体のことを指すが、その中で甘海苔とか紫菜などと呼ばれているものが現代での海苔にあたる。板海苔の誕生はずっと後のことなのだが、これを作るのは簡単だ。紙漉かみすきと似ているが、やりかたがちょっと違う。海苔を刻んで、水と混ぜ、に枠(大きさは俺の記憶による)を載せ、そこに一気に広げるように流し込むのだ。それを板に張り付け、斜めに立てて乾かす。
 両方ともテレビで見たり、マンガでも読んでいたものだ。
 江戸時代くらいまでのものなら、手作りが基本だからそれほど苦労しないで作れる。
 夕食の支度は終わっているので、手早く一品だけ作ることにする。
 干瓢かんぴょうは塩もみ(これが大事)して、水にさらし、茹でて戻し、煮て味付けする。そうそう、これは料理の基本なのだが、煮ている時より火から下ろして冷めていく過程で味が仲間で染み込む。短時間煮て、火から下ろして、また煮てという風にした方がいい。
 エコだし。
 海苔は2枚を重ね、炭火でゆっくり丁寧にあぶれば焼き海苔になる。半分に折るとパリっと切れる。
 かねて用意の巻きに、半分にした海苔を置き、酢飯を平らにして、干瓢を置いて巻く。
 かんぴょう巻きだ。
 ちなみに、酢飯を置くのは、手前は数ミリ、向こうは1センチくらい海苔が見えるように置く。向こう側の酢飯をちょっと立てておくといいが、これは太巻きのときには特にそうすべきだ。
「これは、何です? 黒い紙のようですが」
「伊周さま、これは海苔のりです」
「海苔がこんなになるとは、面白いものですね。風味もいいですし、何より美味い」
「……のりまき好き」
「しずか、海苔巻きを知ってるのか?」
「……海苔で巻いたから、のりまき」
 まあ、そうなんだけどさ。
 初めてだと見た目に驚くようだが、評判は良かった。これも茶店に出したいところだが、海苔は養殖されていないので採れる量が少ないからムリだと思う。海苔の養殖って、網みたいのを沈めて、干満で顔を出させるのと出させないのがあったよな。胞子を受けるのにカキのからを使うのは分かるのだが、実際どうやって増やすのか覚えていない。
 残念。
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