印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page14 -
 もってきた油揚げを、切らずに四角いまま油抜きし、甘葛と醤油で煮付けておいた。
 つゆ(鰹と昆布と醤油と酒)も作っておく。
 塩分の基本は、夏場は多め、冬場は少なめが基本だ。
 汗をかくから、塩分が欲しくなる。これは肉体労働とかも同じだが、平安貴族たちは動かないのであまり塩辛いのは好まないかもしれない。だから出汁だしを効かせて、醤油は少なめにし、塩で味を俺の好みよりちょっとだけ少なめに調えた。
 夏場なので穴のない蓋をして煮た後、そのまま放置。パスツールの実験を知っている人なら理由が分かるだろう。沸騰させて殺菌した後、外部からの細菌の混入がなければ安全なはずである。
 ちなみに、食中毒あたる菌と腐敗くさる菌は違うものであって、匂いを嗅いで大丈夫だという判断は腐敗菌にしか通じず、匂いがなくても食中毒菌が繁殖したり毒素を出していたりするかもしれないから注意が必要だ。
 つまり、匂いは腐ったかどうかの判断基準にはなっても、食中毒になるかどうかとは無関係なのである。
 
 翌朝、煮た油揚げとつゆを持って枕部へ。
 ゆかりが来て、しばらくすると瑠璃も来た。
 まず、手をよく洗わせる。
 料理台で小麦粉と塩を水で捏ねる。まず塩水を作り、それを小麦粉と混ぜるのだが、この時点ではボロボロな状態であって、水は少なめだ。塩水は夏は塩が多く、冬は夏の3分の2くらいにする。これは塩分が欲しいからというのではなく、グルテンを引き出すのに温度との関係からだ。
 最初から団子状になるようでは水が多い。練っていてやっとまとまってくるくらいでいい。
 丸めて絞った布巾を被せて1時間ほど放置で、しばし自由時間。
 ゆかりと瑠璃は喧嘩しているようにも見えるが、仲は悪くないように思う。
 今度は足をよく洗わせる。
 うどんは休ませている間に水が回って、団子状になめらかになっているはずだ。
 厨房に洗った板を置き、その上に練った小麦粉を置いて、新品を更に綺麗に洗った足袋たびを履かせ、足で踏ませた。ビニールなんてないからな。
 ふたりとも「何でこんなことを」とか言っているが、楽しそうに踏んでいる。
「「いち、に、いち、に、いち、に」」
「がんばれ、がんばれ、がんばれ」
 俺が『いち、に!』と言えと言ったからで、『がんばれ』を言っているのは俺だ。
 某アニメの洗濯シーンである。実際の数の数え方は『ひぃ、ふぅ』なのだが、それだと出産シーンになってしまうだろ? ちなみに、あの呼吸は、『ひぃ、ひぃ、ふぅーン』(最後のンは上げる)で息ませない、つまり力を抜くためのものだ。
 足袋で踏ませているが、こいつらなら生足でそのまま踏んだものでも喰えなくはないだろうけど。昔のワイン用のぶどう踏みも乙女がやったというし。ちなみに、聖母マリアは昔は『処女』ではなく『乙女』と訳されていたらしい。つまりそういうこと。
 足で踏むのは、手では力が足りないからで、この作業はグルテンを引き出すのだが、要は餅搗もちつきと同じことだと思っている。
 それをまた1時間ほど放置。
 ということで、再度、自由時間。
 さっきよりふたりは仲よく話をしていて、意気投合すらしているように思える。
 寝かせたかたまりを平らにして、麺棒(大)で延ばしていく。打ち粉は本来少ない方がいいが、そういう水加減にしなくてはならないということでもある。
 麺棒を使うと、丸めて巻き取るときに延ばすが、巻いたまま手前に引くときにも延びる。
 圧延あつえん伸展しんてんだな。
 3ミリ程度まで延ばしたら、厚みと同じ幅で切って茹で、水でぬめりを落とし、ザルに1人前ずつ取る。
 讃岐うどんの作り方をテレビで見たやり方だ。
 つゆ(鰹と昆布と醤油と酒)を温め、お湯を沸かし、ネギを刻んでおく。
 うどんをお湯にくぐらせ(この時間が重要)、器に入れ、つゆを入れて、ネギと油揚げを載せる。
「じゃ、食おうぜ」
 合掌いただきます
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