印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page15 -
「ずるずると音を立てて、すすって食え。それが流儀だ」
「ん、んまいね」
 これはゆかり。
「これ、何ていうん?」
 これは瑠璃。
「きつねうどん」
 俺はうどんを頬張ったままそう答えた。
「『けつねうろん』か」
 瑠璃も頬張ってたから、ちゃんと伝わったかどうか分からなかった。
 食い終わって、一息。
「な、どうだ、美味かっただろ?」
 頷くふたり。
「で、ふたりにうどん屋の面倒を見て欲しいんだ、瑠璃には後でつゆとかの作り方を書くから、その通りに作ってみてくれ。薬師くすしだから計ったり煎じたりするの得意だろ?」
「ええけど」
「もちろん、俺もやるけどな。最初はふたりで、最終的には瑠璃に任せたいんだ。茶店はゆかりに頼みたい」
「何でよ?」
 ゆかりは不服そうだ。
「俺が忙しくなるから見てられないのと、ゆかりは枕部の仕事してないだろ? 給金は出てるのに」
「ま、まあそうだけど」
「だから頼むな」
「分かった」
 ゆかりは渋々という感じだが、やってくれないと困るのは本当だ。
 うどんを食ったので、朝飯はいらないな。
 これから定子さまのところへゆかりが行くというので、一緒に行くことにした。
 瑠璃を巻き込んでは悪いと思い、飛鳥の手伝いでもしてやってくれと言って帰した。
 定子さまの私室は、いつも通りなので省略。
「定子さま、羅述らのべ憧尽誌どうじんしができたので持ってきました!」
「やっとできたん。すぐに主上おかみにお見せしてくるな」
「あの、定子さま、うどんを作ったのですが、召し上がるならお持ちしますけど」
「また光の君の料理? 何や分からんけど、もちろん食べるよ」
「定子さまとさやの分でいいですか?」
「せやね……主上にも差し上げよ思うから、3人分ええ?」
「俺なんかの作ったものを召し上がって大丈夫なのですか?」
「何言うてんの? 前にも兄さまのところで食べたやない」
「そうですか。分かりました、作って持ってきます」
 定子さまは羅述を持って出て行かれた。
 かなり不安。
「光、うどんってどんな食べ物なのですか?」
 さやである。
「白くてつるつるな麺です。さやも手伝ってくれますか?」
「はい、もちろんです」
 3人で枕部に戻り、うどんを調理。湯を沸かすのに時間がかかったくらいで、手早く5人前を作った。
「5つありますけど」
 さやは不思議そうに言った。
「俺らも食べますから」
「もちのろん!」
 最後のはゆかり、しずかの真似だろう。おれとさやはお盆にうどん2つずつ、ゆかりはお盆にひとつと箸を5膳運んだ。
 定子さまの私室に戻ると、なんと既に帝もいらした。
 いいんだろうか?
「主上(おかみ)、ご機嫌きげんうるわしゅう」
「光、似合わないって」
「いや、ゆかり、そうは言うが、主上だぞ」
「まあまあ、堅苦しくする間柄でもありませんから、さっそくですがうどんというのはどういうものでしょうか」
 どういう間柄?
「はい、こちらです」
 各自の前に置くが、俺とゆかりはお盆なしだ。
 で、食った。
「美味しいです。これがうどんですか」
「はい。お揚げが載っているので、『きつねうどん』と言います」
 帝へ言うのだから、口にうどんなど入れておけない。
 しっかり、はっきり言った。
「もしかして、他にも色んなうどんがあるん?」
「ええ、あります。鴨南蛮かもなんばんとか、天ぷらを入れるとか」
「てんぷらて何?」
「粉を付けた野菜とかを油で揚げたもので、普通は米粉を使ったものだと思うのですが、俺のは小麦粉を水で溶いて揚げたものです」
「今度は、そういうのも食べさせてもらえますか?」
「もちろんです、主上がよろしいときに。ただ準備がありますから、前日とかに言ってもらえると助かります」
「分かりました、楽しみですね」
 気に入ってもらえて良かった。
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