印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page17 -
 ちなみに、蕎麦の実というのはみやこには売ってない。
 蕎麦は雑穀ざっこく扱いで、農民が飢饉ききんなどのときに食べるものとされているからだ。からを取り、中の実をそのまま煮たり焼いたり、あるいは粉にして蕎麦掻きそばがきにしたりする。
 道命どうみょうという僧が蕎麦料理を出され「食膳にも据えかねるこんなもんくえるかぁ!料理が出された」と驚いて歌を詠んだというくらいである。道命っていうのは、道隆さまの異母兄弟である藤原道綱(道隆さまの2歳下)の次男だから、道隆さまの甥、伊周さまの従兄弟いとこな人。
 麺状にした切り蕎麦は戦国時代以降のもので、それも最初は蒸していたらしく、だから、蒸籠せいろが使われていたとか。
 蕎麦は蕎麦粉100パーセントの十割とわり蕎麦、2割の小麦粉を加えた二八にはち蕎麦などがあるが、前者はまとめるためのツナギがないため、湯で練ることで粘りを出す。他にツナギとして、山芋(自然薯じねんじょ)や海藻(布海苔ふのり)を使ったりしたものもある。
 前にスーパーで見たところでは、十割蕎麦から、下は25%しか蕎麦粉が入っていないという乾麺が売っていた。生麺の場合は法律で30%以上の蕎麦粉が入っていないといけないのだが、乾麺にはそれがない。JAS規格では50%以上が上品、40%が普通品なので、意外と蕎麦粉は少ないものなのである。
 江戸時代の蕎麦は店もいくらかはあったが、天秤棒の両端に荷を付けて担いで売り歩くのが多かった。中国も同じで、担いで売り歩いた麺ということで、担々麺というのがある。担々麺は汁なしの、ジャージャー麺(炸醤麺)のようなものであって、汁入りにしたのは日本でのことだ。
 逆に言えば、農民は蕎麦を持っているので手に入らないものではない。市を周り、穀類を扱っている者を見つけては呼び集めた。彼らに、蕎麦を調達するように頼んだところ、あんなものをと驚いていたが、馴染みで名前も知られている枕辺佐が言うのだからと、二つ返事ですぐにでも探して参りますという。質が悪いものは受け取らないので、良いものだけを持ってくるように念を押し、秋に新蕎麦が採れたら、もっと高く買ってやるとも付け加えた。
 出たついでに店の方に行って見る。
 茶店とは朱雀大路を挟むが、ほど近い場所である。こういう店は集まっていた方が活気が出るから。
 工事はもうほぼ終わっていて、かまど作りが終われば、程なくオープンできるだろう。
 かまどは4つ。
 茹でる場所がうどん用と蕎麦用、温める湯と出汁だし用。火は茹でる方で燃やして、温め用の方に炎が流れて外に排気されるエコ設計である。登りがまを参考にしただけだが。
 鍋やらどんぶりやらも届けられているし、麺打ちの木鉢やテーブルもできていて、本当にすぐにでもできそうなくらいになっていた。
 今夜にでも伊周さまに人捜しをお願いすることにしよう。
 そうだ、飛鳥に頼むことがあったっけ。
 俺は飛鳥のところに向かった。
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