印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page23 -
「石田三成みつなりって覚えてますか? 佐吉の方が分かるかもしれませんが」
「ああ、サルのところの小姓こしょうだな。覚えておる」
「最初の出会いがお茶だったのは聞かれていますか?」
「いや、そこまでは知らぬが」
「秀吉が鷹狩りの帰りに観音寺でお茶を所望して、喉が乾いているだろうと、最初に薄くてぬるいお茶を茶碗一杯に出して、2杯目は少し熱くて少し濃いのを半分出し、3杯目は普通の熱くて濃いお茶を出したのだそうで、それで気に入って長浜城に連れ帰ったそうです」
「であるか。よくある逸話だな」
「違うんですか?」
「どれ、やってみせよう」
 そう言って、信長は普通にお茶を点て、水を足して渡してきた。
 飲んでみる。
「ま、不味いマズッ
「喉が渇いていたとしても、こんなものを出されたらサルでも怒るのではないか?」
「ですね」
 コーヒーでも紅茶でもいいが、喉が渇いているからと水で割って薄くてぬるいものが欲しいかというとそんなことはない。
 熱いものは熱く、冷たいものは冷たくが美味しいのだ。もしかしたら、秀吉が信長の草履ぞうりを懐に入れて温めたという逸話のように、何かそういう話が欲しかったのかもしれない。
 帰り道、ちょっと速く走らせてみた。
 賢い馬なので、乗っている人間のことも考えて走ってくれているようで、危なっかしいと思うことはなかった。
 既に、俺はかなり信頼して乗っている。
 名前を付けてやろうかな。
 美練馬みねるばも考えたけど、白台はくたいというのはどうだろう。
 キャラデザが一緒だな。
 ちなみに、台ってのはベースのつもり。木馬じゃなくて、本当の馬なのだが。
 なお、百代はくたいも掛けた。
月日つきひ百代はくたい過客かかくにして、行か年も又旅人也。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらて老を迎る者は、日々旅にして旅をすみかとす』
 この奥の細道の冒頭は、時間というのも旅人だし、時を過ごすこともまた旅だと言っている。旅立つことへのエクスキューズにも思えてしまうが。
 まあ、俺はなんだけど。
 
 みやこに着いて、すぐにうどん屋に顔を出した。
 うどんと蕎麦打ちを瑠璃たちが教えているのだ。
 それぞれ別の人が担当するようにしてあるのは、似て非なるぜんぜんちがうものだから。
 開店まで、毎日何回も練習させ、その都度味見をしていて、大失敗でもない限り、もったいないから枕部スタッフみんなで食うことになっている。
 これが大変だったのだが、良いこともあった。
 品書メニューが増えていったのである。
 毎日、数杯のうどんや蕎麦を食っていると、当然舌が肥え善し悪しが判別できるようになり、かつ、同じ味だと飽きるので工夫を始めたのだ。
 やっぱり蕎麦つゆも必要だと、みりんと水飴と醤油を弱火に掛けた後寝かせ、濃い目の出汁で割って作った。これに、わさびとネギを入れたのは評判が良かった。みんな蕎麦をつゆにどっぷり浸けるので、薄めにせざるを得なかったけど。
 鯛の干物を煮つけて、身をほぐしたのを煮汁と混ぜ、冷たいうどんに載せて、刻みネギをトッピングしたのも美味かった。
 身欠き鰊みがきにしんがあれば鰊蕎麦ができるのだが、それは江戸時代まで待たなくてはいけない。
 鴨南蛮も美味かったが、夏場はやっぱり暑いな。
 削った鰹節を載せ、ネギをぱらりとやってつゆを掛けたのがうどんに向いていた。
 大根おろしをたっぷり載せつゆを掛けてさっぱりというのは蕎麦にいい。
 汁がない方が量が食えるし。
 俺のせいで、ノルマというロシア語が広まってしまった。
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