印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page24 -
 ということで、俺と信長たちもノルマとして食わなくてはならない。
 八丁味噌があると信長好みのものが作れるかもしれないが、まだ仕込んだばかりなのが残念だ。信長の時代にあったかどうか分からないが、きしめんとか味噌煮込みうどんはきっと好きに違いない。棋子麺というのが中国にあり、テープを巻いたようになっていて、それが棋子(丸い将棋の駒)のようだから棋子麺というので、信長も知っているかもしれない。
 日に日に麺がよくなってきているのはいいことだな。
 うどんと言っているが、饂飩と書く。
 混沌こんとんという唐菓子のサンズイを食偏にした「コントン」がルーツという説があるが、どうやら違うようだ。俺はワンタン(雲呑)だと睨んでいる。うんどんと読めるから。
 奇妙なのは、温かいから饂飩だということ。
 切り麦(麺)に、冷たい冷麦ひやむぎ、温かい温麦ぬるむぎ、熱い熱麦あつむぎというのがある。素麺そうめんも、温かい汁麺は温麺うんめんという。
 これらは分かり易い。
 うどんは温かいもので、冷めたいまま食べるものではなかったか、あるいは饂飩というのはうどんとは別のものだったのではないだろうか。冷たいワンタンはなさそうだし、ほうとうだって冷たいのはなさそうだ。
 いわゆる麺(日本的な)ではなく、何かと煮込んで温かいものを食べるのが饂飩なのではないかと思う。そうでなければ冷飩みたいなのがあるはずなのだ。
 ともあれ、一日も早く、うどん屋をオープンさせないといけない。
 毎日うどんと蕎麦ばかりになっているから。
 
 数日後、ついに耐えきれなくなり、多少強引にうどん屋を開店させた。
 二店目だが、茶店同様に道隆さま、伊周さまも来席してのイベントもやった。茶店で知らせていたから、人が集まって大賑わいだ。
 おふたりとも満足そうにされている。挨拶の後、最初にうどんを食べてもらう。
でございます」
 店員はそう言って、きつねうどんを置いた。
 えっ?
 我れ先にと客も入って、口々に『けつねうろん』なるものを注文している。もしかしたら、あのとき瑠璃は聞き間違えたまま、正式名称として教えたのかもしれない。
でございます」というのが後ろで聞こえた。
『たぬき』も作らせているようだ。
 道隆さま、伊周さまが食べ終わり、お見送りをした。
 見ると、行列もできている。
 珍しいものが好きなのは相変わらずだが、茶店で店というものに慣れたこともあるだろう。
 貨幣の流通も増えていて、給金の一部が貨幣になるという話すらある。
 店で食べている様子を見ると、うどんが圧倒的に多いが、蕎麦も出ているし、いなり寿司も注文している人もいた。
 すぐ目の前に、揚げが載った蕎麦が出された。
「たぬきでございます」
 ……何……だと?
 それは『きつねそば』で、たぬきにするなら、揚げ玉でないといけないはずだ。
 もう広まってしまっているので、訂正すると混乱を招くかもしれないのでできないが。
 きつねうどんは『けつねうろん』、『たぬき』は油揚げの載った蕎麦になってしまった。
 
 うどんと蕎麦は当分食べたくないので、店は任せて枕部に戻った。
 さて、次にやろうと思うのは、子供向けの人形劇である。実際は人形ではなく紙に描いたものだ。
 目パチ、口パクは紐を引くと動くようにしたいし、手は別の棒で動かすようにしたい。作って試すのが一番だろう。
 バネは鯨のひげがいい。
 蛇足だが、あれは本当は髭ではなく、歯の変化したものだ。
 紐の先を輪っかにして指に引っかけ、一方を引っ張ると目パチ、他方を引っ張ると口パクにした。腕は付け根を紐を通して結び、足も腰のところで紐を通して結んだ。腕には細い棒を付けて動かすが、足はぶらぶらのままにした。
 ひとりで持てるのは棒2本までだから。
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