印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page29 -
 白台はくたいは俺の顔を見て、ちゃんと分かったようだった。
 賢いな。
 そんなに乗る機会はないのだが、なるべく顔を見せてやるのがいいと思っている。
 馬は武士が乗るように思うかもしれないが、貴族がそもそも乗ったものだ。貴族の男にとって乗馬は必須技能である。帝の行幸とかだと、帝は牛車、他の者は牛車は畏れ多いから馬で行くのだから、乗れないとかなり困る。
 日本の在来種のルーツはモンゴルらしい。
 白台は多分、もっと西のやつではないだろうか。
 白いから。
 俺は顔を見せて、白台の首をなでてやった。白台は目は普通の馬と同じ濃い茶色で、かなりの美人だと思う。
 そう、牝馬ひんばなのだ。
 英語で言うとメア。
 ナイトメア(悪夢)は夜の牝馬という意味だ。
 そうだ、夜の種馬を目指そう。
 英語で言うとナイトスタリアン。
 馬とかウサギにはニンジンを食べるイメージがある。が、ニンジンなんてない。安土桃山時代に日本に入って来る予定だ。
 じゃ、何を食うかというと草、生のも干したのも、後は稲藁いなわらとかということになる。塩は牛同様に多く必要で、いつでも舐められるように盛ってある。
 それに果物も好きだ。
「今度、何か果物を持ってきてやるからな」
 俺がそう言うと、白台は首を縦に振っているから、言葉も分かるのだろう。
 気持ちが通じて、俺も笑顔になってしまう。
 ゲッ。
「あんた、またそういうことやってるんだ」
「……馬なのに」
 なぜこういう時にいつも現れるのか不思議だが、ゆかりとしずかがジト目で見ていた。
「違うって、白台は賢いから言葉が分かるんだって」
「じゃあ、何か言ってみせてよ」
「そうだな……ご飯美味うまいか?」
 首を縦に振った。
「……馬だけに、美味い」
「何でも首を振るだけなんじゃないの?」
「そんなことないぞ、白台、俺のことが嫌いか?」
 首を横に振った。
「な、通じてるだろ?」
「う、嘘よ、何か仕掛けがあるはず、本当のこと言いなさい」
「ないって、お前が喋りかけてみろよ」
 ゆかりは白台に近づいて話しかけた。こういうところは素直なのかもしれない。
「ねえ、そこの馬、光のことが好きなの?」
 無反応だった。
「聞いてるの? 首を振ってごらんなさい」
 つーん、そっぽを向かれた。
「……馬耳東風ばじとうふう
「むかつく馬ね」
「そう言うなって。ちょっと乗ってくるな。気をつけて帰れよ」
 鞍を着けようとして、やっぱり引っ張られた。
「ウチも乗ってみたい、乗せてくれる?」
 続日本紀しょくにほんぎにあるように、馬の荷重は百五十斤90キロを限度とされている。飛行機のペイロード(有効積載量)も確かひとりあたり90キロだから、偶然に一致しているのが面白い。もっとも駄馬(荷を運ぶ馬)についてだけど。
 同じようなものだろうから、一緒には乗れないな。ひとりで乗せて大丈夫なのだろうか。
「光さまー」
 諾が走ってきた。
「諾、どした?」
「うちに帰ったら、摂政さまがすぐに来るようにと」
「そっか、ありがとな。いったい何の用だ?」
「あと、ゆかりとしずかも連れて、14歳の子が他にもいたら連れて来いだそうです」
「ゆかり、お前何かしたのか?」
「失礼ね! するわけないでしょ! 14歳ってことじゃないの?」
「……あたしも14
「え、そうなのか? そういえば聞いたことなかったな。同じくらいだろうとは思ってたけど」
「えっと、摂政さまのご自宅の方です。私も呼ばれていますのでご一緒させてください」
「そっか、んじゃ行こうか」
 よく分からないが、呼ばれたのなら行くしかないだろう。
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