印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page33 -
 どうやって出るのかと思ったら、また穴が開いて、ぬるんと押し出されるように出てきた。べとべと、ぬるぬるになっていて、着ていた肌着のようなものは更に透け、ぺったり肌にくっついている。
 ほぼ、全裸まっぱと変わらない。
 このぬるぬるは血液に似た成分の粘液だと思う。
 そういう匂いだったから。
 ゆかりは手で(なぜかつるぺた部分も)隠してその場に座り込み、鬼のような形相ぎょうそうで俺をにらんできた。もしかしたら衛姥からの精神汚染ぎゃくりゅうかもしれない。
 諾が慌てて駆け寄って行った。
 3人と、諾も汚れたので、4人で沐浴、俺の作ったカリ石鹸が置かれているらしい。あのべたべたは水では落ちないのだとか。カリ石鹸は地球に優しい石鹸だ。植物を燃やして作った炭酸カリウムと、植物から取った油だけでできている、純植物石鹸なのだから。
 にしても、いつ持ってきたんだろ? しずかが石鹸を使ってみて『……光のカリ…凄い』って言ってたから、あの時持ってきたのかも。ていうか、ちゃんと石鹸まで言ってもらいたい。ちなみに、石鹸と行っているが前にも書いたようにジェル状である。
 詮子さまは元の姿に戻られていた。
「しずかとゆかりはともかく、定子はちょっと問題やなぁ」
 あ、やっぱり元の言葉使いに戻るんだ。
 4人も戻ってきて、みんなが揃うと、道隆さまが言われた。
「皆の者、ご苦労であった。これからは少なくとも一日置きに鬼もどきの訓練を行う。ただし万が一、鬼が現れたときは速やかに音流府ねるふに集合すること。では、解散」
 いや、解散って言われても。
 どうやって帰るのか分からないし、集合しろと言われても、どうやって来たらいいのか分からない。
 まあ、しずかに頼むんだろうけれど。
 しずかに視線を送ると、俺を見てうなづいた。あ、これは勘違いしたパターンだ。
「……鬼は、まつろわぬしき神、邪しき魂」
「いきなり何だ?」
「……これをたおすには、絶対鬼胎きたい領域が邪魔」
「言葉が難し過ぎるんだが」
「……まつろわぬとは従わないということ」
「いや、そこじゃないんだけど」
「……鬼胎、それは誰にでもある心中の密かな恐れ」
 そうか、英語で言えば、アブソリュートテラー……フィールド?
「……オニギリが必要」
「おにぎり?」
「……そう、飛鳥に作ってもらう」
 よく分からんが、なぜ飛鳥がおにぎりを作らなくてはならないのだろう。茶店のいなり寿司ではダメなのだろうか。
 などと考えていたら、目の前の色が反転した。
 
 色が戻ったかと思ったら、飛鳥の家の前だった。
 俺だけ地球にハグしていた。
 いたのはしずかとゆかりだけだ。諾はちゃんと帰れただろうか。
 工房というか仕事場というか、そっちに行ってみると飛鳥がいた。
 とんてんかん、とんてんかん、色々頼んだけど、作っているところは初めて見た。たすき掛けをして、なかなかに勇ましい。かなりの汗で、上気した頬にはおくれ毛が張り付いている。
 仕事の邪魔をしたら悪いので、終わるのを待つことにした。
 この頃の剣は直刀で、日本刀のようなりはまだ見られない。けんつるぎ太刀たちなどと呼ばれ、日本刀にほんとうという呼び方は明治以降のものだ。
 剣の類は、突き刺すか切り裂くかのどちらかが得意にできている。これは、やり薙刀なぎなたで一目瞭然だろう。刺すならまっすぐで尖っていた方がいいし、切り裂くなら湾曲していた方が点で接するため切れやすい。また刺すだけなら細い方が深くまで刺さるし、切るならある程度の太さがないといけない。
 日本刀は、この両方をバランス良く取り込んでいると思う。
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