印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page40 -
 後片付けが終わると、今度は鬼もどきの稽古に行かなくてはならない。
 が、どうやって転送するのだろう? そう思っていると、しずかがやってきた。
「……忘れてた。一緒に行こ?」
 忘れんなよ。
「ああ、頼む」
「……着いてきて」
 その先には、ゆかりと諾が待っていた。なるほど、ここから転送するのか。
「じゃ、行くわよ」
 ゆかりはそう言うと歩き出し、普通に門をくぐって宮城の外に出た。
 え?
 4人で歩いて行ったのは、一条にあるしずかの家、つまり安倍晴明さまの屋敷だった。
「……こっち」
 敷地内に入ると、小さな社が建っていた。
 そこには『音流府ねるふ入口』ときっちり書かれている。
 秘密って言ってたよな、確か。
 観音扉になっている入り口を開けると、階段が現れた。
「……ここ」
「って、この前みたいにぐわーって色が変わって転送するんじゃないのかよ?」
「……あれはただの催眠。とうさまが光を信じてなかったから、場所を教えないようにしただけ。運ぶの大変だった」
 ああ、そういうのルパンの映画で観たな。
「他のみんなは? ゆかりとか諾は?」
「この前も歩いて行ったわよ」
 ゆかりが事もなげに言った。
「あれ? 定子さまとか突然現れたじゃないか」
「暗いところにいて、光を当てただけよ、気づかなかったの?」
「……あれは定子さまの案。『光の君は驚く思うわ』って」
 何だろ、この脱力感。
 だまされたというより、暇つぶしに付き合わされたというところか。
 階段を下りると、思ったよりすぐに下に着いた。ビルの3、4階分くらいだろうか。
 中に入ると鬼もどきがこの前と同じに座っていた。
「なんや、今日は歩いて来たんやねぇ」
 定子さまがくすくす笑っていた。
 まあ、転送って凄いって思ってたんだ、どんだけ力があるんだろうとか。催眠だったら、そう信じ込ませることもできるかもしれない。
「来たわね、さっそくだけど準備して」
 皇太后さまは、もうそっちモードになっていた。
 3人が着替え、ぬるっと鬼もどきに入って同調訓練の開始である。
「今日は歩かせてみましょうか。ひとりずつね。まずシズカ、準備はいい?」
「……どうぞ」
「じゃ、シズカ、立ち上がってみて」
 零号鬼はぴくっとしたかと思うと、少しずつ動こうとしているのが分かる。ゆっくりだが、立ち上がることに成功した。
「上手いわ、シズカ。そのままでいてよ。次はユカリ、どう? 行けそう?」
「はい、やってみます」
 初号鬼はすーっと立ち上がった。目の前を見ると、同調率がしずかを上回っていた。
「流石ね。じゃテイシ、あなたの番よ」
「ほな、やってみるわ」
 弐号鬼はビクっとなって止まった。同調率が下がって行く。
「やっぱりできひん! どないしたら動くん?(泣)」
 定子さまは軽いパニックになっているようだ。
「テイシ、動かそうとするんじゃなくて、自分が動くつもりになってみて」
 すこしのタイムラグの後、同調率が上がっていく……かに思われたが、突然同調が切れた。
「定子、上がれ」
 道隆さまの声だ。
「まだやれる」
 定子さまも抵抗している。
「ダメだ。交代しろ」
「交代て。他にいてへんから言うてはったのに」
「もうひとりがダメなときは、お前に乗ってもらうしかない。とにかく上がれ」
「はい……」
 見ると、既に着替えた女の子が入ってきている。
 飛鳥だった。
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