印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page41 -
 弐号鬼から定子さまが出てくると、代わりに飛鳥が入っていった。
「じゃ、アスカ! 集中して、衛姥えいばの気を取り込む感じになってみて」
 目の前の同調がどんどん緑に変わっていく。
 また007の音楽が脳内再生され、俺は数字を読み上げた。
「弐号鬼、同調率83!」
「凄いじゃない、あんた才能あるわよ、アスカ」
「こんなの簡単ぢゃ。しかし誰ぢゃ、われを気軽に呼ばわっておるのは」
「あたしはアキコ、皇太后とも呼ばれてるわね」
「なんと、皇太后さまぢゃったか。失礼いたした。しかし、その喋り方は何ぢゃ?」
「大人には色々あんのよ。でもこのことは言っちゃダメだからね」
「あい分かった」
「アスカ、ちょっと動かしてみて。立ち上げれそう?」
「やってみるのぢゃ」
 弐号鬼がすっと立ち上がった。
 同調率が高いからか、動きが凄くスムーズだ。
「次は歩いてみて。ひとりずつね。じゃシズカから」
 零号鬼はゆっくり足を上げ、降ろした。反対も動かし、小さい歩幅だが、ちゃんと歩いている。
「いいわね。次はユカリ」
 初号鬼は普通に歩き出したかのようだったが、足を降ろす前にバランスを崩してしまった。
 倒れそうになる。
 危ない!
 主に諾が。
 すっと弐号鬼の手が伸び、初号鬼を支えた。
「凄いわ、アスカ。そのまま支えてて。ユカリ、動ける?」
 弐号鬼に支えられながら、初号鬼は歩いた。さっきより慎重に、ゆっくりとである。
「いいわ、アスカ、今度はあなたよ」
 弐号鬼は初号鬼から手を離すと、ゆっくりだが自然に歩き始めた。
「これでいいのかの?」
 その後、歩いたり、腕を動かしたり、屈伸したりという訓練が続いた。
「それじゃ終わりにするから、衛姥を前の場所に座らせて。アスカ、手伝ってあげて」
 零号鬼、初号鬼を座らせ、最後に弐号鬼を座らせた。
 彼女たちはぬるんと鬼もどきから出てきて、逃げるように沐浴に向かった。
 多分、俺の視線からだろう。
 
 しばらくして、みんなが集まった。
「まったく酷い目に遭ったのぢゃ、鬼切について話を聞こうと来たら、歳を聞かれて、いきなりあんなものに入れおって」
 飛鳥が愚痴っていた。
「飛鳥、初めてであれだけやれるとは、なかなかの才能じゃえ」
 皇太后モードの詮子さまだ。
 定子さまは口をとんがらせてぶつぶつ言っていた。
「ウチにやってくれ言わはったのに、ウチだって頑張たのに……」
「しょうがないですよ、何か相性みたいのがあるって話だし。第一、危ないかもしれないんですから、定子さまじゃない方が俺たちも安心して戦えますし」
「光の君は優しいなぁ、おおきに」
「何や定子、文句があるなら妾に言うたらええですやろ」
「と、とんでもないです、皇太后さま」
 定子さまは、姑にあたる詮子さまがかなり苦手なのかもしれない。
「何よ、飛鳥ってば、ちょーと上手く動かせたからっていい気になって」
 これはゆかりなのだが、口調が微妙にいつもと違っている。
「いや、われも不満ぢゃと言うたはずぢゃが?」
「見てなさい、飛鳥なんて、すーぐ追い抜いてやるんだから」
「……ゆかりは何のために衛姥に乗ってるの?」
 しずかもちょっとだけいつもと口調が違うかも。
「ところで、光。妾のとこで夕食でもどうどす?」
 詮子さまからのお誘いだった。
「はい。ありがとうございます。でもよろしいのですか?」
「何か問題でも?」
「あ、いえ……」
「あの、ウチもよろしいでしょうか?」
 ゆかりだ。
「かましまへんけど、おぶづけしかあらしまへんえ?」
 にっこりして詮子さまは言われた。おぶづけはぶぶづけとも言う、湯漬け(お茶漬けのようなもの)のことだ。
「ほな、はばかりさんどした」
 ゆかりはそう言われると引き下がった。
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