印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page42 -
 諾に夕食はいらないと伝言を頼んで、詮子さまに同行した。
 実はこの人はかなり重要人物である。まあ帝のご生母だから当たり前なのだが。
 後年、道隆さまが逝去され、道兼さんも亡くなって、その後に伊周さまと道長の権力争いになる。詮子さまは、兄道隆さまの三男(本妻の長子)、甥である伊周さまではなく、弟の道長を推したのだ。ご生母に推されたのだから、帝としても逆らえない。
 そういう意味での重要人物でもあるのだ。
 それをどうこうすることはできないにしても、仲良くというか可愛がってもらえるならありがたい。絶対に敵には回したくない人だ。
 あのモードの詮子さまも見てるから尚更かもしれない。
 当たり前だが、詮子さまは夫はいても同居はしていない。先々代の天皇だから。
 皇太后職の女官が世話をしていたのだが、食事を運ばせると人払いをされた。
 どゆこと?
 貞操の嬉々、もとい危機か、それとも命の方か。
「ざんないもんばかりやけど、遠慮せんとお食べやす」
「あ、いただきます」
 合掌。
「光は未来人や聞きましたけど、ほんまどすか?」
「ほんまどす」
 しまった、言葉がうつった。
「すいません、うつっちゃいました。本当です」
「未来の話は聞かへんよう言われてますけど、少しくらいはかましまへんやろ?」
「はあ」
「妾はどうなります? このまま皇太后でいるんどすか?」
「いや、ちょっとそれは」
「まあ、いきなり聞いても言われへんわなぁ、まあ一杯」
 酒を注がれたら注ぎ返すよな、やっぱり。
「これでは遠おすなぁ、こっちおいないな」
 手振りでこっちに来いということだと思って近づいた。
 で、注しつ注されつなのだが、詮子さま、すっごい飲みっぷりだった。
「お酒がお好きなんですね」
「なすのどぼづけと御酒があらへんなら死んだ方がマシどす。それにしても暑おすなぁ、ちょっと失礼」
 そういうと、着物を脱ぎ始めた。
 マジっすか。
「いやぁ、やっぱこのために生きてるよねぇ、(ぐびぐび)ぷっはぁ」
 あ、モードが切り替わった。
「ねえ、ヒカル、どうなの? あたしって、このままなわけぇ?」
「絶対、口外なさらないと誓えますか?」
「誓うって、ヒカルがあたしのことバラさない限り。ねぇ、ちょっとでいいから教えてよ」
「えっと、その前に、定子さまとか伊周さまをどう思われているか教えてください」
「テイシは息子の嫁よ、まあ普通かな。伊周もいい子よ、嫌いじゃないわね」
「もし、俺の言うことを信じてもらえるなら、詮子さまに一番いい方向を教えて差し上げられると思います」
「分かったわ、信じる」
「来年、あることが起き、その後ご出家され、女院となられることになっています」
「ああ、あの人が崩御しちゃうんだ」
「それは、ちょっと言えないことなのですが」
「で、女院になるわけ? 女の院って初めてよね」
「そうですね」
「それって、帝の生母だから?」
「そうでしょう。皇太后を空けて、皇后を皇太后とし、女院の方が上とするためかもしれません」
 地位的に皇太后は皇后より低いのである。
「で、テイシを皇后にってわけ?」
「そうなりますね」
「前にね、道隆が何かたくらんでいるみたいで気になってたんだけど、それはどうなってるの?」
めてもらいました。いいことはありませんから」
「そっか、ヒカルって案外ちゃんとしてるのかも」
「え?」
「道隆とか伊周の犬なのかと思ったら、そうでもないのかもね」
「違いますよ。俺の望みは主上と定子さまが末永く仲良くされることだけですから。もちろん、伊周さまにはお世話になってますから、ご恩は返したいと思ってますけど」
「分かった、悪いようにはしないわ。テイシ以外に女御はいてもいいの」
「女御、更衣がいくらいてもかまいません。皇后はお一人なのですから」
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