印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page43 -
「ところで、ヒカルって女を知ってるの?」
「それってどういう意味でしょう」
「経験済みなのかってことよ。何なら教えてあげましょうか」
是非もちろん、って言いたいところですが、皇太后さまにそんなおそれ多いことは」
「そっか、いいわ、合格」
「え?」
「拒否したら不合格、ホンキになったら命に関わったわね」
「怖いこと言わないでください」
「ホントよ、あたし嘘は嫌いだから。とにかく、気に入ったってことよ」
「ありがとうございます」
「ねぇ、鬼とかって信じてないでしょ」
「え、ま、まあ」
「いるのよ、ホントに。内裏が何回も焼け落ちてるって知ってるわよね」
「はい。もちろん」
「あれは鬼の仕業、まあ、普通にかがり火とかで火事になることもあったみたいだけど、それにしても火事が多すぎるでしょ?」
「そうですね。誰かの放火とかじゃないんですか?」
「放火させるってのも鬼の手口ね。人の心を惑わすのよ。長岡京のことも鬼のせいだって話もあるくらいだから」
「なるほど」
 長岡京は遷都してわずか10年で平安京に遷都したのである。遷都の中心人物、藤原種継が暗殺されて頓挫したのだが、それが鬼によるものだと詮子さまは言っているのだ。鬼が直接ではなく、人心を惑わしてのことかもしれないが。
「でも、鬼は普通は見えないし、見えても手出しできない」
「あ、絶対なんとか領域ってしずかが言ってました」
「絶対鬼胎領域、鬼の躰ってことだけど、攻撃するにはそれを破壊するか中和しなければならないわ」
「それができるのが鬼もどきなんですか」
「そう、ま、ぜーんぶ、道隆と晴明からの受け売りだけどね」
「道隆さまってお兄さんですよね、でも呼び捨てなんですか?」
「前は兄さまって呼んでたけど、息子が帝になったでしょ? それからよ、だってご生母さまだもの」
「ご兄弟仲はよろしいのですか?」
「どうかな、道隆ってずっと年上で、長男だからやっぱ偉いって感じでしょ。その1コ下の超子姉さまは8年前に亡くなってるし、道兼で8コ、道長は13も下だから、ヒカルはあたしの歳は知らないわよね」
 ちなみに、道兼さまは3男、道長は5男、2・4男はすぐに亡くなったようだ。
 亡くなっている超子さまは冷泉天皇女御で、一条天皇の次の帝、三条天皇のご生母さまなのだが、それは未来の話。詮子さまは次女で、この人たちは兼家さまの正妻時姫さまのお子だ。別腹で道綱さんというのがいるが、道綱さんは道隆さまの2歳年下。伊周さまは三男だけど、正妻のお子様としては長子にあたられる。正妻の子の方が格が上なのは当然だろう。
 弟の道長を推した皇太后さまだが、道長はひとつ年下だったと思う。
「あ、すいません道長のひとつ上ですよね」
「なんだぁ、知ってたか。そうよ来年三十路みそじなんだから」
「あの、俺のいた時代だと、歳の数え方が違って、詮子さまが30になられるのは再来年ということになります」
「そうなの!? いい時代ね。2930じゃ全然違うもの」
 三十路は三十代というだけでなく、女性の平均寿命を超えるという意味もあるから、かなり大きい違いなのだろう。
 詮子さまが実際のところ俺をどう思われているのか分からない。
 でも、結構打ち解けて、話ができたと思う。酒も入ってたからな。話し込んで、帰ったのは午後8時を過ぎていた。
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