印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page45 -
 それから数日、人形劇の練習と、鬼もどきの訓練などをして過ごす。
 ある日、信長が昇進したというのを聞いた。
 何でも検非違使が苦戦していた盗賊団を壊滅させたのだとか。鉄砲を実戦に使ったらしい。
 そりゃ勝つだろな。
 兵部省少輔、従五位下だそうだ。兵部少輔って呼んでやろうかな?
 といっても枕部所属は変わらない。
 まあ、枕部って雰囲気的には修理職すりしきとか大膳職だいぜんしきなんじゃないかと思われてたから、兵部省でちょっと格好良くなったかもしれない。伊周さまは蔵人頭だけど、別格だと思われているからな。実際、帝のお世話は内舎人うどねりで中務省、側近と警護が蔵人くろうど、内裏や京の警護は近衛このえ検非違使けびいしで宮内省、軍事関係は兵部省と縦割りになっている。
 信長は兵部省ではなく、何でもアリの枕部の方が動きやすいだろう。
 
 人形劇の練習の休憩中にゆかりが聞いてきた。
「ねえ、次のは書いてるの?」
「次って、人形劇のか?」
「違うわよ、羅述らのべに決まってるでしょ?」
「えっ!? まだやるの?」
「当たり前じゃない。あーっ! 思い出した!」
「な、何?」
「ウチたち夫婦めおとになるんだった」
「忘れてたのかよ!」
「何? 光は覚えててくれたわけ?」
「いや、さっぱり」
 グーで殴られた。
「言い方ってもんがあるでしょ」
「わ、悪い、忙しくて忘れてた」
 本当は忘れるために忙しくしていたのだが。
「そうだな、また書くか、どーんなのにしようかな……」
「夫婦の方が先でしょ?」
「いや、ゆかり、ラノベもあるし、店も次のを考えてるし、鬼もどきもあるじゃないか、もう少し待ってくれ」
「ちょっとだけよ、あんまり待てないんだからね」
「何で?」
「気持ちがよ。分からないの?」
「そ、そうか」
 ゆかりのことが嫌いということはないのだけれど。
「ねぇ、午後から説教を聞きに行くんだけど、一緒に行かない?」
 まるでコンサートに誘っているような口ぶりだな。
 説教というのは教えを説くということで、教えというのは仏教のことである。
「後は誰が行くんだ?」
「定子さまとさやさま、くらいかな」
「それって面白いのか?」
「面白いし、タメになるの。今日のは京でも一番という講師こうじで、声もすっごく渋くていいんだから。聞かないと損よ」
「そっか、じゃ、行くか」
「べ、別にあんたと行きたくて誘ったわけじゃないんだからね」
 たまにツンデレを入れてくるゆかりだった。
 
 なぜか稽古のときは俺が食事を作ることになっている。
 まあ、いいんだけど。
 ちょっとうどん屋までひとっ走りして、うどんと濃い目のつゆを持ってきた。茶店やうどん屋から、好き勝手に持ってこれるのは俺だけの特権である。というか、誰も文句を言えないだけなのだが。
 湯が必要なので沸かす。
 うどんを湯に投入。
 ちょっとのにんにくと生姜のみじん切りを油で炒める。かまぼこも刻んで入れた。蒲鉾かまぼこと書くことからも分かるだろうが、見た目はちくわである。文献に書かれるのはもう少し後になるらしいが、実際はかなり前からある。
 ネギを大量に斜め切りにして、これも炒める。ネギは焦げるくらいが香りも立って美味いが、炒めすぎてべっちょりさせてはいけない。
 タマネギ、ニンジン、キャベツ、もやしが欲しいところだが、どれもない。
 仕方ないので、買ってあった何かの菜っ葉を刻んで炒めた。菜の種類は多くて、似ているものに地名が付いていたりするので何が何だか分からない。アブラナの類いは多く、名前の通り、油を種子から取るのだが、食用にもなる。菜の花というのはそれだし、水菜みずな壬生菜みぶな芥子菜からしなかぶ、大根、野沢菜、小松菜、白菜など、まだ日本にないものもあるが、全部アブラナ科の仲間だ。
 京都といえば、すぐき(酸茎菜)の漬け物が有名だが、あれもアブラナ科、蕪の仲間である。
 ちなみに、ほうれん草はアカザ科なので別だ。
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