印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page46 -
 野菜が炒まったら、少し酒を入れるとぐっと香りが良くなった。
 うどんの水気を切って、これも一緒に炒める。
 焼きうどんである。
 うどんの場合、温まるまで時間がかかるので、俺はお湯で温めてから焼きうどんにする。スーパーとかのゆで麺ならなおさら、茹でて、さっと洗ってから焼きうどんにした方がいい。保存のために酸味(ビタミンCなど)が付けられているからだ。
 つゆと塩・醤油などで味を調える。
 これを盛りつけ、上に削った鰹節を掛けた。うねうね動いているのをみんな不思議そうに見ている。良い鰹節削り(飛鳥作)だから、薄くていい削り節が作れるのだ。
 さあ食おう。
 
 食後、休んでから定子さまのところに向かった。
 というか、単に内裏の門の前だけど。
 俺が言うのもなんだが、普通なら一緒に牛車には乗れない。最初に乗ったからか、結構気軽に定子さまの牛車に乗っているけど。
「すいません、お邪魔してしまって」
「ええんよ、光の君とおったら楽しいし」
「あの、定子さま、ここだけの話、皇太后さまって苦手なんですか?」
「……嫌いやないけど」
 えらい低い声だな。
「そうじゃなくて、苦手だったりします?」
「……ちょっとだけ……」
 あ、聞いちゃマズかったか。
 寺は京の中だから牛車でもすぐに着いた。
 初体験だが、説教ってどんなんだろ?
 説教というより、説法と言った方がいいかもしれない。
 平安末期あたりから、説教は更にエンターテイメント性を高めていく。これが後に講談や落語となっていくのだ。説教をするのは講師こうじと呼ばれる僧侶である。講釈師というのは仏教的ではないものを扱うが、中に釈が入っているのが妙に仏教的だ。なんなら、講師より講釈師の方が合っているかもしれない。
 定子さまご一行なので良い席に座る。
 いわばアリーナ席だ。
 講師登場、若いな。俺とあまり変わらないかもしれない。
「なあ、ゆかり、俺とあの講師、どっちの方がカッコいい?」
 卑怯な質問だな。俺と結婚したいという女の子に聞いてるんだから。
「はぁあ? 比べるも愚か。向こうに決まってるじゃない」
「えっ!? さ、さやはどうです?」
「ごめんなさい」
 頭を下げられた。
「バカなこと言ってないでちゃんと聴いてなさいよ。この講師は話が面白いって評判なんだから」
 ゆかりに言われた。
 いや、聴いても何言ってるのか半分も分からない。難しいって、言葉が。仏教用語とかあんまり知らないし。さっきからニョゼばっか言ってるのはどういう意味だ?
 うーん、楽しくないねぇ。
 周りが盛り上がっていると、相対的に盛り下がることがある。なんだろ、この疎外感かやのそと。この後、一刻ほどは苦痛でしかなかった。女性がほとんどなのは、こういう訳か。
「面白うてお腹痛なったわ」
「そうですね、今年聴いた中では一番かもしれません」
 定子さまとさやだが、そんなにか!?
 英語のジョークを聴いてるみたいで、俺は笑えもしなかったのだが。
「何? つまんなかったの?」
 ゆかりに聞かれた。
「ああ、っていうか意味が分からないことが多すぎたな」
「あんたには難しいかもね。ま、光じゃしょうがないか」
「どういう意味だ?」
 まあ、実際、ほぼ無宗教で、墓参りとかは行くけど、クリスマスも普通にするからな。チキンとケーキを食うだけだけど。
 帰りの牛車でも話題に付いていけなかった。
 ゆかりを送り届け、定子さまをお連れするのにもついて行ったら、さやとふたりきりになった。
 うん、思った通りになったな。ゆかりを先に送ると聞いてから、こうなると思ってたんだ。
「ねえ、光、茶店に連れてってくれませんか?」
「いいけど、行ったことなかったですか?」
「はい。滅多に里には出ないので、光と行きたいと思っていたんです」
「よし、行きましょう!」
 ふたりで歩いて茶店に向かった。
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