印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page47 -
 何十回と行っている茶店だが、さやと行くというのは新鮮だった。ゆかりは既に送り届けているのもいい。
「あの、光、お願いがあるんですが」
「何でしょう、さやの頼みなら何でも聞きますよ」
「はい。あの、普通に喋ってもらっていいですか?」
「普通?」
「ええ、ゆかりとかと喋るときみたいな。私にはよそよそしくてちょっと嫌です」
「うーん、分かった。さや、これでいい?」
「はい。光」
「さやも普通に喋ったらいいのに」
「私にはこれが普通です。ダメですか?」
「いや、俺はそういうの大好きですよ、じゃない、大好きだ!」
「そんな、人前で大きな声で」
「ご、ごめん」
 いい感じだな。まさか死亡フラグじゃないよな。
 
 茶店に着いた。今日は客としてなので、金を払うつもりだ。
「さて、さやは何が食べたい?」
「何が美味しいのですか?」
「いや、それを俺に聞かれても。できたら一通りちょっとずつでも食べて欲しいかな」
「じゃ、それで」
 店員を呼んで、色々と持ってくるように言った。
「ねぇ、さや。ゆかりがまたラノベ書けって言ってるんだけど、聞いた?」
「はい。というか言い出したの定子さまですし」
「え、そうなの。また余計なことを」
「でも、それを言うように定子さまにお願いしたの私ですけど」
「何でまた?」
「だって、光があんまり来てくれなくなったじゃないですか。忙しいのかもしれないけど、羅述のときほど会えなくなったから、また書いたら会えるかなって」
「そっか、っていうか、ラノベじゃなくても、今度から遊びに行くようにするよ」
「ホントですか? じゃあ、今夜お待ちしています」
「それって?」
「もう、女に言わせる気ですか!?
「ごめん、分かった」
 料理、というほどのものでもないが、ちょっとずつ盛られたものが出てきた。
 夏なのでいなり寿司は早朝限定メニューとして、今はない。
「これは何ですか?」
「あ、これは新開発のお焼き。中に漬け物が入ってるんだ。夏場の塩分補給にもいいだろ?」
「美味しい。ゴマの風味もいいですね」
「ごま油で炒めて、小麦粉の皮で包んで焼いてあるんだ」
 中身は何らかのアブラナの類いを漬けたものを、塩出しして刻んで炒めたものだ。野沢菜とか高菜の仲間だとは思う。
「こっちは何ですか?」
「団子なんだけど、食べてみて」
「柔らかい、き立てのお餅ですね」
「いや、夏場だからそれほど経ってないとは思うけど、き立てじゃないよ」
「じゃ、何でこんなに柔らかいんですか?」
「いっぱいいたから」
「え?」
「餅ってさ、いっぱいくと柔らかいままになるんだ」
「そうなんですか」
「そうなんですよ」
 もち米を蒸して、普通より数十回多くくだけで柔らかいのができる。これを丸めて串に刺して、出すときに炭火で焦げ目を付け、みたらし餡を掛けた団子だ。
「さやはうどんは食べたけど、蕎麦ってまだだよね」
「ええ。蕎麦も食べてみたいです」
「じゃ行こう!」
 さっと立って店を出た。
 金は払わないのかって?
 店は前金制で、品物を持ってきたときに払う仕組みになっている。いつも払わないので、払い忘れた。
 ただ、ちゃんと帳面は付けさせているから、後で精算はちゃんとされる。売り上げとの相殺だけど。
 うどん屋はすぐそばなので、すぐに着いた。
 たいそぼろの冷やしうどんと、盛り蕎麦を頼んだ。
「で、さやは今度は何を書くつもり?」
「あ、羅述ですか? うーん、どんなのにしましょう?」
「いや、俺に聞かれても」
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