印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page50 -
「なし崩しに、俺の部屋に来ちゃったね」
「ですね。まあ、私はどこでもいいので」
「え? そんななの?」
「だって、私、前に結婚していたこともあったんですよ」
「あ、そういうもんなんだ」
「そういうもんなんです。多分、ゆかりとかだと大変だと思いますけど」
「そう? さやはこの部屋初めてだよな」
「この屋敷には何回かお邪魔してますけど、光の部屋には来たことがなかったですね」
「そっか、じゃ、時間もあるし、アレやっとこうか」
「そうですね。やっちゃいましょう」
 汚れないように着物を脱ぐさや。
 俺も準備して、と。
「もう入れていい」
「もうちょっと待って」
「これでいい?」
いやぬれれちゃう」
「これを……」
「おっきい、こんなの初めて」
「凄いだろ!」
「黒くてテカってます」
 
「待ってくださーい!」
 あかねが大声をあげながら入って来た。
「光さまー! 早まってはいけません!」
 こっちは諾だ。
「あれ? 墨、擦ってるんですか?」
「そうだけど、どした?」
「伊周さまがさやさまが来ているから、光さまの部屋には近づくなとおっしゃったので……」
 と、あかね。
 伊周さま、逆効果でしたね。
 
 何が起こっていたか、回想してみよう。
 汚れないように着物を脱ぐさや。
 俺も硯を出して、水を入れようとする。
「もう入れていい」
「もうちょっと待って」
 着物が濡れないように、たすき掛けをするさや。
 支度ができたので、水を入れる。
「これでいい?」
 わっと、こぼれたか。
「嫌、濡れちゃう」
 雑巾で拭いてくれた。
 この間入手した墨を見せてやる。
「これを……」
「おっきい、こんなの初めて」
「凄いだろ!」
 南宋から輸入されたもので、結構高かったんだ。
「黒くてテカってます」
 良い墨はやっぱり光沢が違うよな。
「待ってくださーい!」
 あかねが大声をあげながら入って来た。
「光さまー! 早まってはいけません!」
 こっちは諾だ。
「あれ? すみってるんですか?」
「そうだけど、どした?」
 誰かが来そうな予感はあったから、全然驚かなかった。
 ゆかりだと思っていたのが、少し意外だった程度かな。
「お前たち、何をしているんです。来てはいけないと言ったでしょう。さあ、行きますよ。光、続きを」
「伊周さま、まさかとは思いますが、そこの陰にいらしたんですか?」
「ええ、ちょっと用があったものですから」
 この人も覗きに来ていたんだな。
「諾と話がしたいのですが、いいですか?」
 さやは諾と伊周さまを見ながらそう言った。
「じゃあ、あかねは久しぶりに俺と話すか。最近は自分で着替えられるから、話す機会が減ったもんな」
「はい」
 あかねは嬉しそうにしている。
「では、私も」
「伊周さままで、まあ構いませんけど。じゃ、何か食べませんか? さっき麺だったもので、ちょっと小腹が空いちゃって」
「もちろん食べますよ」
 真っ先に答えたのは伊周さまだった。
 みんなを残して料理をしようと思ったら、あかねもついてきた。
 さて、何を作ろうか。
 夕食の残りをチェックしてみる。これは鴨を焼いたものか。
「なあ、あかね。これって食っていいの?」
「もちろんです。光さまの分でしたから」
「あ、そうか、夕食いらないって言ってなかったからな。ごめん」
 ちょっと頭を下げた。
「いえ、そんな、全然大丈夫です」
 全然の使い方が間違っているぞ、あかね。
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