印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
携帯・スマホからもご覧いただけます⇒

第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




  (ルビ表示が正しくない場合)


横 縦     並 大 特大     G M
- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page55 -
「……鬼に実体を与えてはいけない。玉藻は覚えておくこと」
「てへ、失敗しちゃった」
「おい、事態を悪化させたってことか?」
「……音流府ねるふへ」
「そうか、あかねは帰るかどこかへ逃げろ。瑠璃と玉藻は近くからこいつを見張っててくれ。後は音流府へ急ぐぞ!」
 まさか本当に鬼が出るとは思わなかった。それも真っ昼間から。まあ、玉藻のせいかもしれないけれど。
 音流府へ急行する。
 が、走ったせいで、気持ち悪くなってきた。
 二日酔いが抜けきってなかったからだろう。
 俺って行かなくてもいいよな、という考えが頭をぎる。
「大丈夫ですか? 光さま」
 あかねは気遣ってくれた。
 途中、検非違使たちがわらわらと走ってくるのに遭遇する。
「一刻も早く、周りの人を避難さろ!」
「「「は!」」」
 そう言われて検非違使たちは散って行った。
 音流府に俺が着いたときには、もう詮子さまも来ていた。
 情報が早いな。
「着替えてる暇はないわ。3人とも着物脱いで、そのまま衛姥えいばに乗って!」
 詮子さまは言い放った。
「え? 全部ってこと?」
「……まっぱ」
「われは嫌ぢゃ」
 嫌がるよな、そりゃ。
「大丈夫よ、見てるのはヒカルだけだから」
「それが一番の問題じゃないの!」
 ゆかり、魂の叫びだ。
「あ、俺、外に出ますから」
「だめよ、ヒカル。ちゃんと見ててあげないと」
「え?」
 何でだ?
「鬼に対抗するには自らの絶対鬼胎領域も強めないといけないの。一番簡単なのが羞恥心しゅうちしんを高めることよ」
「それ何てエロゲ?」
「何言ってるの、ヒカル? ナギ、ついでにそこのあんたも一緒に脱がせるの手伝って」
 ついでにと言われたのはあかねだった。
 そういえば俺と一緒に入って来たっけ。
 和服の帯は複雑だが、平安時代は簡単だ。帯は1本だけなので、それを解くとすぐに脱げる。パンツとかないし。唯一、巫女みたいなのを着ている飛鳥でも2回引っ張るだけだから簡単なものだ。
 と、俺は細部まで観察してていいのか?。
「見るなー!」
 ゆかりは大声を出しながら、衛姥の中に消えていった。
 で、どうやってここから出るのかがずっと謎だったんだが……
「みんな、衛姥に乗ったら、そこの綱を引っ張って!」
 太いロープがあるとは思ってたんだが、あれを引く訳だ。すると、壁の一部がずるずると開いてスロープが出てきた。
 射出とかじゃないのか。シュパーって飛び出すとか、行っきまーすとかがカッコいいのに。
 えらいアナログだな。
 オールグリーンとか言わせて欲しかった。
衛姥発進えいばはっしん!」
 詮子さまに言われて、みんな一斉に動き出す。結構自然に歩けるようになっていた。
『お兄ちゃん、鬼が隣の建物を壊してる』
 乳帯符の玉藻からだ。
「今出るところだ。安全なところで見張りを続けてくれ」
 衛姥はスロープから地上に出たようだ。俺も階段を1段飛ばしで駆け上がった。
 気持ち悪い……
 二日酔いには堪えるな。
『鬼切はアスカが持って!』
 詮子さまの指示だ。
 見回してもいないのはまだ下にいるということだろう。
『われは劔は作るが、使ったことなどないのぢゃが……仕方ないのう』
 文句を言いながらも拾いあげた。この前はなかったから、今朝にでも持ってきたのだろう。何というタイミングの良さ。
 鬼切は直刀の短刀である。体がデカいから短刀と言っても3メートルくらいはあるけど。
『鬼がうどん屋、じゃない、鶴屋の方に向かってるわ、お兄ちゃん、早く!』
「もうすぐだ、待ってろ!」
 みんなも聞こえているのだろう、衛姥が走り出していた。
 二日酔いで往復はマジきつかった。
第2巻:page56 < 次  枕部之印  前 > 第2巻:page54

【お知らせ】
広告のお申し込み・当ページプログラム販売など承ります。委細メールにて。
(著作表示より送信)
 
▽ 基礎知識 ▽

平安用語の基礎知識
 
関連用語の基礎知識