印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page57 -
 小さくなった鬼が息を吹き返したようだ。
 綺麗なエメラルドグリーンのタマネギという感じの体になっている。
 丸い目があって、じっとこちらを見ている。
 まさか?
 仲間になりたいとかじゃないだろうな?
「お前、仲間に……」
 俺がそう言いかけた時だった。
 飛鳥の鬼切が小さな鬼を容赦なく真っ二つにしていた。
 すぱっ。
『ふぅ、やったのぢゃ』
 あー、お前、スラリンになんてことをー!
『……終わった』
『光、あんたに後で話があるから』
 一難去ってまた一難というやつか。
「やったわね、あんたたち」
 詮子さまだ。
 どこにいたんだ? この人。
「最終訓練、合格よ」
 ……何……だと?
「なんや、訓練やったんか」
 瑠璃は呆れている。
「訓練って……結構、家とか壊れてますけど」
 諾の言うとおりだ。
 3軒は潰れたな。
 鬼が2軒飲み込んで、衛姥、っていうかゆかりの岩で1軒逝ったんだけど。もちろん最初に取り壊していた家はノーカウントだ。
『ちょっと待って! たかが訓練で裸を光に見られたわけ!?
 いや、家とかの方が大きい問題だと思うんだ、たかが訓練だというなら。
『……やっぱり。変だと思ってた』
「そ、そうなのか?」
 言ってくれよ、そういうことは。
『……玉藻は仕掛人』
「えへ、バレてるし」
「マジか、玉藻!」
「うん、お兄ちゃん。晴明さまに言われて、わざと実体化させたの。ごめんなさい」
「じゃ、あの鬼は?」
「あれは……」
「あれは、硬粘亀こうねんきです」
 玉藻の言葉を遮ったのは、他ならぬ晴明さまだった。
 硬粘亀ってやな名前だな。
「この前、玉藻と調伏したものですが、お聞きになっていませんか?」
「いえ、全然。妖怪退治に行くとかいうのは聞きましたが、それですか?」
「ええ、捕まえてきました。さっき小さくなったのが正体です。それをちょっと細工しましてね、衛姥の技術で鬼に仕立て上げてみたんです」
「そんな人騒がせな。第一、どうするんです? 3軒くらい家が潰れちゃってますけど」
「大丈夫、空家ですから」
 そういう問題か?
「ヒカル、あんたがちゃんと指示できるか見るには、教えないでやらせて見るしかないじゃない。ちゃんと羞恥心を刺激したのはいいけど、何で岩を持ち出したの?」
 詮子さまもグルか。
「あれは、家の木とかは飲み込まれているのに、地面は削られてなかったので、岩なら飲み込まれないかなと思ったんです」
「なるほどね、ちゃんと見てるじゃない」
「はあ」
「みんな撤収よ!」
 詮子さまに言われて、衛姥たちが帰って行く。
「お兄ちゃん、あれ見て」
 玉藻が指さす方を見ると、真っ二つになっていた硬粘亀がもぞもぞ動いている。
 ふたつが近づいて、ぽょん、とくっついた。
「紹介するね、硬粘亀の羅螺ららよ、甲羅こうら法螺貝ほらがいで羅螺」
 エメラルドグリーンの体で羅螺って言われたら、どうしてもあのモビルアーマーを思い出すな。あれって、宇宙用だと思うんだけど、何であんなにデカいエアインテークがあるんだ?
 それはさておき。
「おま、名前まで付けたのか」
「だって飼ってるんだもん」
 ペットなの?
 まあ、玉藻は九尾の狐ようかいへんげだから、ペットだろうと、たとえ食べたとしても不思議じゃないけど。羅螺はぽょん、ぽょんと跳ねながら近づき玉藻に飛び付いた。
「羅螺、この人が私のご主人さまだから、お前のご主人さまでもあるの。言うこと聞かないとダメだからね」
「らーらー」
 あ、そういうことか。
 あの、携帯モンスターというかポケット怪物というか、あれって自分の名前を喋るよな。変だと思ってたんだが、今気がついた。名前だから喋るんじゃなくて、そういう鳴き声だから、その名前になったってことだ。ワンワンと鳴くからわんわん、ニャァニャァ鳴くからにゃんにゃんとか。ラーラー鳴くから、羅螺ってことだな。玉藻、案外字を知ってるんだな、そっちの方が驚きだ。
 それにしても、羅螺の鳴き声はどことなくしずかに似ているな。
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