印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page63 -
 糖分が多いほど、エサが多いのだから、酵母はより多くのアルコールと炭酸ガスを出すことになる。
 ただし、樽などで密閉せず発酵させた場合、出てきた炭酸ガスはどんどん逃げていく。だから、きっちり瓶に封じ込めて、ガスを逃がさないようにしようという訳。
 樽の方を一次発酵、瓶の方を二次発酵というが、一次発酵が終わったということは、エサがなくなったということになる。だから、二次発酵させるためのエサ、水飴を追加する。
 ビール製造でホップは一次発酵前に加えるのだが、苦みも香りも少ないカラハナクサだからどうやってみればいいのか分からない。
 だから研究というか実験なのである。
 ついでに書くと、発酵には上面発酵と下面発酵がある。
 何が違うかというと、酵母が違う。
 発酵中はそれほどの違いはなく(発酵の適温は違うが)、炭酸ガスを放出するので浮かび上がるのはどちらも同じだ。発酵が終わって、沈む酵母を下面発酵、沈まない酵母を上面発酵という。酵母が違うので合成される物質も違い、風味も異なる。
 下面発酵はラガー(貯蔵)であり、上面発酵はエールである。種類としてはラガー<エールだが、消費量はラガー>エールとなっているらしい。
 ちなみに、明治に入って来た酵母は、まだ酵母という呼び方がなかったので、英語からヤアストと呼ばれていた。その後、イーストと呼ばれるようになるが、本来の発音はイーストでもない。YEASTであり、頭にYの分の音が必要で、発音記号風に書くと「ji:st」である。なお、これは前に書いたが「ヰ・ゐ」は「WI」なので、まるで音が違う。日本円をYENと書くのだから、その音なのだと思うが、仮名では表記のしようがない。
 ドライイーストはパン作りに使われ、普通にスーパーで売られているが、当然のごとく、スパークリングなアルコール飲料を作ることができる。
 酒税法に少し触れておこう。
 アルコール1%以上のものを造るのは違法である。焼酎に果物を漬けるのはよくあり、梅酒は普通に作られるが、アルコール20%未満の酒で漬けるのは違法だ。ぶどう、山ぶどうなどを漬けるのは度数に関係なく違法。
 はちみつ、あるいは砂糖・レモン果汁を溶いた水にドライイーストを入れ、1%以上のアルコールになると違法となる。ビール製造キットなどがあるが、製造中に砂糖などを入れ、1%以上のアルコールにするのも違法だ。
 もちろん、法律というのは、知らなかったと言う理由では罪を免れない。
 多分、一番知られていないのは、20度未満に漬けてはいけないというところだと思う。
 
 閑話休題。
「さて、飯にすっか」
「あたしも行ってええ?」
「いいけど飛鳥はいいのか? ……あ、俺、飛鳥に用があったんだ、あいつどこかな?」
「昼にはうちにいると思うんやけど」
「飯時に押しかけるのも悪いか。じゃ、うどん屋に行こうか」
「うん」
 鶴屋では俺と瑠璃だから、奥で味見がてら食べた。
「やっぱ蕎麦と揚げ玉は合うな、まあうどんにも合うけど」
「それがたぬきやったんやて? 聞いて驚いたわ」
「これがたぬきで、油揚げを載せるときつね、な」
「けつねうろん言うてたし」
「いや、いいんだ、それは」
「あんた変なやつ思うてたけど、優しいんやね。みんなが好き言うのわかるわ」
「みんなって誰?」
「いや、こっちの話。あたしかて……」
「かて?」
「何でもない。優しないわ」
「いや、聞いただけなんだが、まあいいか。さて、飛鳥に話しして、そしたら行かなきゃ」
「どこ行くん?」
「いや、こっちの話」
「やっぱいけずやぁ」
「ごめん、ごめん。方違かたたがえに行くだけだよ。伊周さまに言われてるから」
「せやからどこやの?」
「名前知らないんだよな。何回か行ったけど。そんなに遠くない寺なんだが、北の方のおっきなくすのきがある寺」
「そうなん」
 俺はこの時すっかり忘れていた。
 こいつら、個にして全、全にして個だということを。
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