印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page64 -
 瑠璃を連れ、飛鳥のところへ行ってみると、昼過ぎだからちゃんといた。腹が減ったら帰るだろうというのが当たっていたということだろう。
「なあ、飛鳥、こういうのってできないかな」
 図に書いて見せる。
「それで、こうやって締めると、取れなくなるから、ある程度柔らかくて、ある程度硬いのじゃないとダメなんだけど」
「難しい注文ぢゃな」
「瑠璃はどうだ? 鉄じゃなくても、何か混ぜてそういうのができればいいんだけど」
「どうやろ? 調べてみるわ」
「頼むな。で、ここがさ、こういう形にすると、外れにくくなるんだ。薄い紙だって折れば立つだろ?」
「なるほどのう。ここはぎざぎざがいくつあるのぢゃ?」
21個、三角になるのが7つ」
「大変そうじゃな、これを打ち出すのは」
「そうじゃなくてさ、こういう型を鋼で作って、間に薄い金属板を入れて、挟んで形にするんだ」
「何と、凄いことを考えるものぢゃ」
 何を相談しているかというと、瓶の蓋にする王冠くらうんである。型を作って挟んで作るというのは、スタンパのことだ。
「だが、どうやって鋼を削るのぢゃ?」
「木の棒とかで」
「光らしくもない。木で鋼は削れぬのぢゃ」
「いや、棒の先に砂を入れてな、ちょっと油とか入れて、回してやると削れると思うんだ」
「砥石と同じぢゃな……なるほど、流石ぢゃな」
「な、できそうだろ」
「できそうぢゃ」
「それとさ、ガラスなんだけど」
「前に言うとったやつぢゃな」
「ああ、鋳物と同じように溶かしてやってみたいんだけど、それにも型が欲しいんだ」
「砂ではムリぢゃろな」
「粘土とかでもダメだと思う。やっぱり鉄みたいのじゃないと」
「それは鋼である必要はないぢゃろ?」
「ああ、何でもいい」
「して、どういう形にしたいのぢゃ」
 これも図に書いて説明した。普通のビール瓶だ。
「分かった、それもやってみるのぢゃ」
「頼むな、じゃ、用があるから行くわ」
 瑠璃も残して、急いで帰った。
 うちに荷物を取りに行って、白台はくたいのところに行くのはムダだな。
 白台を連れて荷物を取りに行くのがいいだろう。
 ということで、白台のところへ。
 ん?
 誰だ?
 ちっちゃい女の子が白台をじーっと見ている。
「この馬、白台って言うんだよ」
 誰だか分からないが教えてやった。
「あ、なんだ、光兄ちゃんか」
「あれ? 俺のこと知ってるのか?」
「っていうか、ウチのこと覚えてないの? 信じらんない」
「いや、ごめん」
 見覚えがあると言えば、何となくある、ような気がする。声が俺の妹(いないけど)だから、会っていれば忘れるはずがないんだが。
「よ~く顔見て。お姉ちゃんに似てると思わない?」
 お姉ちゃんに似てるってのがヒントか?
「ギブ」
「ぎぶ? ウチに分かる言葉で喋ってよね」
「どこかで見たことはあると思うんだが、思い出せん」
「はぁ? お兄ちゃんのうちに住んでて、お姉ちゃんのとこにもよく行ってるって聞いたけど?」
「あ! もしかして原子げんしちゃんか」
 何か、原子力発電のマスコットキャラみたいな名前だが、伊周さま、定子さまの妹、つまり道隆さまの娘である。そりゃ兄妹だから面影もあるし、見かけたことくらいあったと思う。
 話をするのは初めてだが。
「その呼び方嫌いなの。原子もとこか、モトちゃんって呼んでよね」
「へいへい。モトちゃん」
「うん」
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