印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page65 -
 伊周さまは丁寧な人だし、定子さまは自由気ままだけどこんなじゃない。だから分からなかったんだな、きっと。
「さや姉ちゃんに、ここに白馬あおうま節会せちえで使った馬がいるからって聞いてきたんだけど、ぜんぜん青くないじゃない」
「だよな。昔は青っていうか黒い馬だったのが、白い馬になって、名前だけアオウマってなったんだ」
「そんなの変じゃん。白馬ならシロウマって言わないと分かんないもん」
 子供はそういうところ敏感だよな。大人は青信号とか青葉って言うけど、子供に言うと緑だって言い返されるし。
「で、これ光兄ちゃんの馬なんだ。白台はくたいって言った?」
「ああ、賢い馬なんだぞ。この馬は大人しいけど、他のは危ないから近寄っちゃだめだ」
「分かった。触っていい?」
「いいよ」
 一応、白台の首を押さえて、モトちゃんに触らせてやった。
 白台はじっとしている。
「ふふ、馬に触ったの初めて」
「そっか。俺、ちょっと用があるから行くな、じゃ、また」
 袖を引っ張られた。
「ウチも行く」
「いやいや、ダメだろ」
「だって、お兄ちゃんが来ていいって言ったもん」
「え、伊周さまのとこに行くのか?」
「うん。方違かたたがえに行くからって。あんたと行きたいんじゃないんだからね」
 え、ツンデレ?
「じゃいいけど」
 モトちゃんを白台に乗せ、俺は白台を牽き歩いてうちに戻った。
 何だ、あれは?
 屋敷の前に2台も牛車がある。
 俺はひとりごちた。
嫌な予感がするI have a bad feeling about this
 近づいていくと、やっぱりだった。
「遅っそいわねぇ」
 ゆかりだ。
「……源の寄り道」
 藤原頼道ふじわらのよりみち(道長の長男、後に摂政)が生まれるのは再来年さらいねんの正月だぞ、しずか。知ってて言ってるんじゃないと思うけど。
「なぜ、われより先に出た光の方が遅いのぢゃ」
「ほんまや、置いてかれるか思うて急いで損した」
 飛鳥と瑠璃は置いてきたはずなんだが。
「お兄ちゃん、またそんなの拾ってきたの?」
「そんなのって、モトちゃんのことか?」
 玉藻に答える俺にゆかりが割り込んできた。
「ちょっと、何でそんなに親しそうに呼んでるわけ?」
「ちびっこに何をしようというのぢゃ」
「……炉痢痕?」
「違うって、ゆかり知らないのか? モトちゃんだぞ」
「誰よ、それ」
藤原原子ふじわらのげんし、伊周さま、定子さまの妹だよ」
 ゆかりは左手をパーにして、グーの右手で打った。『よし、分かった』のポーズだ。
「ゲンシか、定子さまの妹ね。うん、知ってる」
「誰? このウザイ女」
 ゆかりにウザイと言ったのは、もちろん馬上のモトちゃんである。
 モトちゃんを白台から降ろしてやった。
 つかつかとゆかりに近づいてメンチを切っている。ゆかりは小さいから、モトちゃんと同じくらいに見える。
 モトちゃんは確か満10歳くらいだ。系で言うと似ているかもしれない。モトちゃんは知らないようなことを言ってるが、あれだけ定子さまのところにいるゆかりを知らないはずはないだろう。
「おやおや、もうお揃いですか。原子もとこも来ましたね」
「伊周さま、モトちゃんはともかく、他の連中な何ですか?」
「誰かから方違えに行くと聞いたらしくて、一緒に行くことになりましたので、牛車を手配させました」
 そ、そんな簡単に……
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