印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第2巻:page66 -
 一号車、伊周さま、諾、あかね、モトちゃん。
 二号車、ゆかり、しずか、玉藻(羅螺付属)、飛鳥、瑠璃。
 そんなとこだろな、俺は白台でひとりのんびり行こうと思う。
「だめよ、返してきて」
「え?」
「あんたも牛車に乗るんだから、馬はいらないでしょ? 返してきて」
「そんなぁ……」
 結局白台を返させられた。
 一号車に4人、二号車に5人だろうから、俺が乗るのは一号車だな。
「何やってんのよ、早く乗りなさいよ」
「いや、ゆかり、こっちは5人だから、向こうの方に乗ろうと思ってだな」
「向こうは4人乗りでしょ?こっちは6人乗りなんだから、こっちに乗るに決まってるじゃない。伊周さまはちゃんと人数を考えて牛車を用意されたんだから」
 マジですか、伊周さま。いい人なんだけど、余計なことまで気配りされるから困る。
 6人乗りに6人乗るとどうなるか。
 結構狭い。
 いや、変だ。
 数えてみると、俺以外に6人いるし。ちっちゃいのが顔を背けている。
「モトちゃんか?」
「えへ、分かっちゃた?」
 いや、この狭い中で分からない方が変だろ。
「向こうに乗ったんじゃなかったのか?」
「お兄ちゃんに言ったら、こっちに乗ってもいいって」
 何でもお兄ちゃんが言ったことにすればいいと思ってやがるな。
「あんた、何でこっちに乗ってるのよ!」
「……枕部専用牛車」
 ゆかりとしずかだ。
「え? あたし枕部だもん」
「……嘘」
「ホントだもん、お兄ちゃんがいいって言ったもん」
「ま、まあ、俺が後で伊周さまに聞いとくから。今は乗せといてやろうな」
 万が一、道隆さまとか伊周さまがいいと言っていたならどうしようもない。
 一条光をオトして我が家族に迎えるのじゃー、とか……
 ないな、道隆さまだもんな。『娘に手を出すなよ(ギロリ)』と、出したら命はないと思えくらいな感じで言われたし。
 今回行くのは京の中ではなく、ちょっと出たところの寺だ。そんなに離れていないので、小一時間もすれば着くだろう。
「お兄ちゃん、見て見て!」
「何だ、どうした」
「ほら」
 玉藻がやっているのは、3センチくらい太さの棒を羅螺に突っ込んで、引っ張り出すということだった。かなり乱暴に見えるが、妖怪だから大丈夫なのだろう。すると、棒は鉛筆削りで削ったかのような形になった。
「凄いな、それ」
「へへ、でしょ? 太さも変えられるんだよ」
 そうか、朝に針桐の皮を剥いたりしてたから、その続きでやってんだな。
「……光も食べる?」
 しずかが言っているのはいなり寿司のことだ。
「どうしたんだ、これ?」
「亀屋から持ってきたに決まってるでしょ? 牛車の移動となったらこれよ、これ」
 前に牛車の中で食べたからだろうか。
「お前ら、ちゃんと金を払ったんだろうな」
「なぜぢゃ、枕部の移動中なのだから、枕部の経費に決まっておるのぢゃ」
「何か、こうゆうのんも楽しいなぁ」
 いや、瑠璃まで。
 と、玉藻の目が光った。
「こら、玉藻、ちゃんと噛め、いなり寿司は飲み物じゃないって教えたろ」
「はっへ、おいひいひ」
 飲まない代わりに頬袋ほおぶくろ方式に変えたらしい。しかし、どれだけのいなり寿司を持って来たんだ?
「美味しいね、初めて食べた」
「そっか、モトちゃんは食べたことなかったのか」
「……お茶」
「あ、どうも。ってお茶もか!」
 
 などとやっていると、結構すぐに着くものである。
 割と気楽にお寺に来たのだが……
 まさか、あんなおぞましいことが起きるとは、この時は誰も知らなかった。
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