印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page2 -
 飯前の暇な時間、現代の一般客だと掃除とかあったりするかもしれないが、貴族だからそんなことはしない。
 ぼーっとしているとゆかりたちが寄ってきた。
「光、良かったね」
「へ? 何が?」
「容姿は関係ないってさ」
「……人は見た目じゃないから」
「男は容姿じゃないのぢゃ」
「あたしも姿形すがたかたちなんて気にせえへん」
「いや、お前ら……」
「何? 何であんた涙ぐんでんねん?」
「……うれし涙?」
「ちっがーう! 悲しんでんだよ! 人のこと容姿じゃないとか言いやがって、傷付くわ!」
 そう言ったら、流石のやつらも慰めてくれたけど、まったく慰めにはなっていなかったのは言うまでもない。
 夕食の時間になった。
 精進料理とかが発達する前だから、大したものはない。生きるために食べるということをしみじみ噛み締めただけだった。
 ここの寺のいいところは温泉があることである。
 普段、風呂といっても蒸し風呂なので、湯に浸かるのは実にいい。
 今日は俺たちがいるので男女が時間を区切って入る。男が先なのは、女は時間がかかるからだろう。ということで、伊周さまと温泉に向かった。
 伊周さまは平安人らしく、湯帷子ゆかたびらを着て入られたのだが、俺はもちろんそんなものは着ない。せっかくの温泉、久しぶりのお湯だもんな。全部脱いで、かけ湯をして、洗うべきところは洗って入った。
 ふぅー。
 いい湯だ……
 手ぬぐい、普通はタオルかもしれないが、を頭に載せるのは意味がある。ひとつは天上から垂れる冷たい水を防ぐため、もうひとつは頭を冷やすためだ。露天風呂の場合、熱い日差しを避けたり、冬の寒風を避ける意味もある。ただ単に、置く場所がないから載せているのではない。打たせ湯のときは頭にすっぽりかぶり、耳に水が入らないようにもする。ついでに書くと、『のぼせ』と『湯あたり』はまったくの別物である。のぼせは、そのままの意味で体温上昇による一時的症状(ただし熱中症かもしれないので、ちゃんとケアしないといけない)だが、湯あたりは病的症状で症状が数日続くことさえあるという。自律神経によるものや、皮膚の炎症なども含まれ、症状は倦怠感、頭痛、めまい、寒気といった風邪に似た症状であるため、風邪を引いたと勘違いすることもあるらしい。硫黄泉、放射能泉、酸性泉などでなることが多いという。
 
「光はここへ来ると全部脱ぎますね」
「ええ、こうやって入るのが気持ちいいので」
「それが未来では普通なのですか?」
「そうです。何か着たりするのは逆に禁止されてますから」
「す、凄いんですね」
「あ、でも男女は別になってますよ。一緒に入るところもありますけど」
「よくめのこがそんなところに入れますね」
「まあ、おばちゃんばっかですけど」
「おばちゃんというのは二十歳はたち過ぎとかですか?」
「とんでもない、60過ぎとかです」
「未来は長生きなんですね」
「ええ。伊周さまも全部脱いでみたらどうです? 気持ちいいですよ」
「え、遠慮しておきましょう」
 結構恥ずかしがりなのかもしれない。
「光ー、入ってる?」
 ゆかりの声だ。
「ゆかり、そういうのは入ってから言うもんじゃない。で、なぜ入ってくる」
「あれ? 落ち着いてるのね?」
「当たり前だ。想定の範囲内だからな」
「何? 期待してたってこと?」
「……すけべ」
「しずか、それは止めろ! 広まったら大変だから」
 で、後からどんどん入ってくるし。
 驚いたのは、他の4人の客までいたことだった。さては伊周さま狙いだな。
 言うまでもないが、全員湯帷子ゆかたびら着用である。
 俺以外。
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