印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page13 -
 河原に着くなり水遊びに興じる彼女たちを尻目に、詮子さまはマイペースで指示を出した。
「じゃ、ちょっとだけ大きくなってみて」
『いきなりぢゃな』
『どうやって大きくするんですか?』
 だよな、ゆかり、詮子さまも知らないと思うぞ。
「何かねぇ、聞いた話だと背中の後ろの方がキューって上に引っ張られる感じなんだって」
『……背中を伸ばして息を吸って背伸びする感じ』
 お、しずかが建設的なことを言っているぞ。雨が降るな、きっと。
「お前ら、あんまり大きくすんなよ。戻し方も分からないんだから」
『そんなんで大丈夫なの!?
「さあ?」
 などとやっていると、弐号鬼が大きくなって行く。倍くらいになったところで止まった。40メートルって、デカいな。
『ちょっと、どうやったのよ、飛鳥』
『頭の旋毛つむじのところをぐっと突き上げられたと思っただけぢゃ』
「いつも思うんだが、晴明さまがいた方がいいんじゃないか?」
「呼びましたか?」
 でぅあ!
 びっくりした、いっつも突然だもんな、晴明さまって。しずかも似たようなとこがあるから、やっぱり血なんだろう。
「あ、あの、大きくなる練習をしているんですが、どうやったらなれるのかが分からなくて」
「そうですね……背中の後ろの方がギューっと上に引っ張られる感じと申しましょうか」
「そう……ですか……」
 記憶との照合によると、キューとギューの違いくらいしかないな。つまり参考にならん。
 と、零号鬼がちょっとだけ大きくなった、凄いぞ、しずか。
『ちょ、ちょっと、しずか、どうやってのよ!』
『……下から突き上げられる感じになってみた』
「どこが突き上げられる感じなんだ?」
『……下から屹立きつりつした何かが挿し込まれて、内蔵ごと突き上げられて』
 何だ? 屹立って。
『わ、分かった、やってみる』
 分かったのか!?
 実際、ゆかりの初号鬼も巨大化して行っている。何をどう考えたのだろう。
「晴明さま、取扱説明書マニュアルみたいなのってないんですか?」
「ないですな。光さま、戦いに定石がありますかな?」
「はぁ……」
 微妙に論点がずれているのだが、もしかしたらこの人もよく分からないということなのかもしれない。
 実は、ここからが大変だった。
「じゃ、今度は元に戻してみて!」
 詮子さまの当然の指示、なの、だが……
『どうやるんぢゃ?』
『……あたしも知らない』
 俺は晴明さまを見た。
 って、そっぽ向いてるし。
「と、とりあえず、さっき考えたのの逆ってのはどうだ?」
『なるほどなのぢゃ』
『……やってみる』
 お、流石だな、ふたりともすぐに元に戻りつつある。
 そういえば、さっきからゆかりの声が聞こえないのだが──って、もっとでっかくなってるし。しかも初号鬼は妙な光を放ち、この前の戦闘のときのようなオーラに包まれていた。
「おい、ゆかり、大丈夫か!」
『だ、だいじょばない、かも』
 息が上がっているようだ。乳帯符なので、心音も聴こうと思えば聞こえる。かなり速い。
『はぁ、はぁ……ど、どうやったら戻れるの?』
 飛鳥としずかが頼みの綱だ。
『つむじのところをぐっと押さえつけられる感じぢゃ』
『……上から屹立きつりつした何かが挿し込まれて、内蔵ごと突き下げられて』
 意味が分からん。
『はぁ、はぁ……分かった、やってみる』
 分かるんかい!?
 と、しゅるしゅると初号鬼が縮んで行った。どこにヒントがあったのだろう?
「ユカリがかなりキテるから、今日はこのくらいにしときましょ。撤収よ!」
 ぽつぽつと雨も降り出したので、足早に音流府に戻った。
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