印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page20 -
「ご主人さま、あの丘と言われましたが、大丈夫でしょうか?」
「何が?」
「枝葉だけを溶かすとは思いますが、民家とか潰れるような気がしますけど」
「何!?
 落ちる場所によってはそうかもしれないけど、それほど大きくなる分けも……何だ……アレは?
 空に大きな何かがある。
 龍の巣? いや、待て、さっきまであんなものはなかったぞ。考えられるのは……羅螺だ。
 もの凄く大きい。
 正体を知られていなければ、もののけによる被害だと逃げることもできるだろうが、思いっきり朝廷の特務組織・枕部だと宣伝してしまったじゃないか。
「ゆかり、しずか、飛鳥、大変だ! 羅螺が落ちてくるから、お前ら捕まえてくれ」
『何?』
『……どうやって』
「落下地点まで走って行って、両手を上に上げて支えるんだ」
『できるかー!』
『……やらないと光が困る』
「頼む! 走ってくれ!」
『仕方ないのぢゃ』
 衛姥3体が走り出した。
「お前ら、民家とか踏むなよ、人とか牛とかも」
 
 一番最初に落下予想地点に着いたのはゆかりだった。意外だが、それだけ一生懸命やってくれているのだと思う。
 あれ、やっといた方がいいのかな?
「ゆかり、ありがとな。愛してるぞ!」
『何よ、こんなときしか言わないくせに』
 言葉はそんなだが、ちょっとデレモードが入っているのが俺には分かる。絶対鬼胎領域もオレンジ色のオーラを放っているし。
「飛鳥、頑張ってくれ、愛してるから」
『ついでに言われてもありがたくないのぢゃ』
「しずか、お前が頼りだ、愛してる」
『……知ってる』
「玉藻、俺たちも行くぞ! 羅螺に小さくなるように言ってくれ」
「分かりました、ご主人さま」
 人の足では大変な距離なので、玉藻は正体を現した。あの時以来だが、やっぱり怖い。
「乗ってください」
 流石、妖怪変化だ。この姿でも言葉が喋れるらしい。玉藻に跨がると、すぐに駆け出した。
 速い!
 俺たち風になってるー! などという余裕はなく、落ちないようにしがみつくので精一杯だった。
 だが、脳内ではフラメンコ風の必殺シリーズっぽい音楽が自動再生されている。何だ、余裕あるじゃないか、俺。
 羅螺が落ちてきた。ゆかりが支えるが、ひとりではムリだ。
 飛鳥が合流、すぐにしずかも到着し、3人で支える。
 支えている部分からジリジリという音が聞こえるのは、羅螺に仕込んだ絶対鬼胎領域がまだ生きているからかもしれない。
 ダメだ、3体でも持たないか。
 そう思った瞬間、羅螺が小さくなり始めた。玉藻が言ってくれたのだろう。とりあえず、事なきを得たというところか。
 それで思い出した。衛姥の方を大きくすれば良かったと。
 
 その後、羅螺に説教をしたのは言うまでも無い。言葉は分かっているようだが、イマイチ正確性に欠ける。この説教だって、どれだけ通じているだろうか。そう言えば、寺の騒動のときも、こいつが勘違いして伊周さまの方へ行ったとか言ってたし。
 教訓、妖怪変化、特に羅螺を信用してはダメだ。
 今後はくどいくらい言い含めるようにしようと思った。
 
 疲れたのでもう一度休憩のやり直し。
 ゆかりたちも一度出て休むという。そうだな、その方がいい。肉体疲労より精神疲労が激しいしな。
「お前ら、そのまま出てくると危ないし、2度と乗れなくなるから、寝そべるかなんかしてから出ろよ」
 最悪、玉藻に乗せてってもらえるかもしれないが、用心して悪いことはないだろう。
 適当な場所がないから仕方ないことなのだが、実にシュールな絵だな。20メートルの衛姥が3体寝そべって、そこからぬらぬらと濡れた女の子が出て来るのだから。
 また『見るな!』とか言われるかと思ったのだが、違った。
「だって、この前、む、胸を見たじゃない。もう光の前なら平気よ」
「……まったく問題ない」
「そんなワケないぢゃろ! 問題大ありなのぢゃー!」
 飛鳥の主張が通り、俺はちょっと離れたところに移動させられ、ひとり寂しく休憩を取った。
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