印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page21 -
 牛車チームを待っても仕方がない。こちらは時速30キロ超、向こうは時速3キロ程度なのだ。どこかで宿泊して来ることだろう。伊周さまが夕月さんに襲われなければいいのだが。
「さて、行くか」
 顔は出さず、乳帯符で伝えた。
 それからしばらくして、衛姥が立ち上がったので、俺も白台のところに行き、玉藻と騎乗した。
 俺たちは山道を進んで行く。白台はさっきの騒動の中、水を飲み、草をみ、十分な休憩が取れていたようで、疲れも見せずに登って行った。
 どうせ伊周さまたちは明日、下手すると明後日になるので、先に鈴鹿峠に行ってみることにした。
 そんなに急峻でもなかった。確か標高は357メートルである。マグナム弾と同じだから覚えていた。ちなみに、357マグナム弾は0.357インチという口径だが、これは38スペシャルと実口径は同じため、マグナム弾用の拳銃で38スペシャル弾の発射も可能だが、逆はダメ。同口径の薬莢を延ばし、ガンパウダーの量を増やしたのが357マグナム弾なのだ。まあ、あまり知らなくていい情報かもしれないが。
 峠を越えて、びっくりした。
 向う側は結構キツい。とはいえ、衛姥を大きくしたらどうとでもなりそうだが、今は見るだけにする。
 朝廷もさることながら、信長の意見を聞かないことにはどうするべきか決められないからだ。ここを下ると、伊勢であり、尾張は目と鼻の先なのだから。
 例えば、何も考えないなら、近江から関ヶ原を通って美濃に抜け尾張に至るという道だって考えられる。名神道も東海道本線も関ヶ原経由なのだから、現代人からすれば当たり前のルートだろう。しかし、そこを通りやすくすると、美濃の情勢が変わるかもしれないし、関ヶ原の天下分け目の合戦だってどうなるか分からない。いなり寿司の歴史改変などとは規模が違うのだ。
 まして、信長はこちらにいるのだから、意見を聞かないわけにはいかないだろう。
 まあ、北陸道の方は信長がどう言ってもやるつもりだが。
 
 さて、どうしよう。
 プランA、独断専行作戦無視、サクっと伊賀に入って信長を探す。
 プランB、その辺でぶらぶらして時間を潰し、伊周さまを待つ、作戦通り。
 ここは参謀であり枕部佐である俺が決める場面だもんな。よし、プランBだ。
「諾、聞こえるか?」
『はい。光さま、聞こえます』
「そっちは、今どの辺にいる?」
『まだ近江です。多分、近江で宿泊です』
 だよな、牛車だもの。
「俺たちは伊勢側に泊まるから、何かあったら連絡してくれ」
『分かりました』
「でさ、七栗の湯って、行ったことあるか?」
『津からずっと山の方に入ったとこですよね、ありますけど』
「場所が知りたかったんだけど、今ので分かった。伊賀街道を下った辺りだな?」
『はい、まあそうです』
「ありがとう。またな」
「あ、はい」
「ということで、みんな、七栗の湯に行くぞ。温泉に入って海の幸で一杯やろう!」
『いいわね、また背中流してあげる!』
『また一緒にはいる気ぢゃ』
『……違う、この前は背中なんて流してない。いつのこと?』
 珍しくしずかの語気が荒いな。
 峠を壊さないようにして下りた。
 七栗の湯というのは榊原温泉とも別所温泉とも言われている温泉で、それを諾に確認したら、榊原温泉だったということ。何でそこがいいかというと、枕草子に『湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯』と書いてあるのだから、行ってみたいと思うのも当然ではないだろうか。
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