印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page22 -
 鈴鹿峠から下りて、道なりに進む。また大騒ぎになっているので、ビラを撒きながらである。
「ご主人さま、あっちです」
「ん? 玉藻、お前七栗の湯を知ってるのか?」
「はい。もちろんです」
「そか、なあ、そこって何か食べられる?」
「それはムリだと思います。まして海の幸は。自分で料理して食べるなら別ですが」
「だよな。よし、先に海の幸を調達に行くか。けど不案内だしなぁ、そうだ、伊勢国府に行くぞ、そこで誰か捕まえて、海の幸と酒を何とかしてもらおう」
『おー!』
 元気だな。
 
 いきなり衛姥を国府の前に連れて行くのもどうかと思い、俺と玉藻だけで入っていった。
 国府の中は上を下への大騒ぎになっている。
「どうしたんです? 何かあったんですか?」
 その辺の、役人らしき人に聞いてみた。
「怪物が出たんだ! あんたも早く逃げろ!」
 怪物って、衛姥だよな。
「大丈夫です。あれは朝廷の守護者ですから」
 そう言って、玉藻から一枚のビラを受け取りその男に手渡した。
 それを見て、驚愕し、俺の顔を見て言った。
「もしかして、枕部佐の光源氏さま?」
「え? そうですが、なぜご存じなのですか?」
「あなたを知らぬなら貴族ではありません。京での評判はどれだけ離れても、すぐに入って参るものです」
「そうですか。あの、心配いらないと知らせてもらえますか? その後、できたら海の幸と酒を入手してもらって、七栗の湯に行きたいんですが」
「お任せください」
 そう言うと、その男は大音声だいおんじょうで言った。
「静まれ、静まれぃ。ここにおわすは、かの枕辺佐、光源氏さまなるぞ、一同の者、頭が高ぁい、控えおろう!」
 ははぁ、となる一同。俺は水戸のご老公か!
 俺でさえこうなんだから、伊周さまとか、まして道隆さまだったらどんなになるんだろう。きっと、道隆さまって帝とほぼ同じ待遇だろうけど。
 そんな人に、娘を嫁にする気があるかって言われてるんだな、俺って。
 その後、衛姥についても説明があって、混乱は収まった。
 いや、マジで危害を加えたりはしないから。あ、こっちの緑のはダメだけど。何するか分からないから。
 聞くとその男は、何と伊勢守いせのかみだった。偶然、最初に声を掛けたのが国司だったのだ。国司の守ことを受領ずりょうというが、これは前任者から引き継ぐことを指す言葉からそう呼ばれるようになった。国司には守、介(次官)などがあり、何人もいる。
 俺の頼みだからと、国司は次々に指示を出して行く。
 海の幸を調達に行く人、山の幸を調達に行く人、温泉に同行する人、またも大騒ぎになっってしまった。今後、気軽に国府に行って個人的なことを頼むのはよそう。
 
 先導され七栗の湯に着き、すぐに温泉に入ったのだが、それも大変だった。
 俺と入ったのが国司以下十数名、お背お流ししますのオンパレード。宴会は彼らとどこぞの女の子十数名(ゆかりたちと温泉で一緒だったそうだ)を加えた大規模なものだった。温泉と違って、俺には女の子からの総攻撃が繰り広げられた。ゆかりたちは怒っていたけれど、彼女たちも男にかしづかれていたからアイコだよな。
 宴会も終わり、国司ら一同は帰るという。
「お部屋は用意してありますから、ごゆっくり」
 ああ、やっと解放される。そう思った俺は甘かった。
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