印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page25 -
 少し北の方へ回り込むと、伊賀街道がある。どんな道なのか分からないが、険しい可能性が高いと思う。
 現代人の感覚では、馬は道を行くものだと考えるだろう。だから道がなければ通れないと思い込んでしまう。俺もそうだったが、信長は、道がないところを通るのは当たり前のことだと言う。戦場は道ではなく、山野や河川にあるのだからと。
 とはいえ、俺は戦にいくのではなく、まして乗馬もそれほど上手いわけでもない。ほとんど登山道のような道を馬で駆け抜けることなとできなかった。
 衛姥に運んでもらうかなどと考えていると、玉藻が提案してきた。
「ご主人さま、妾がお連れしてさしあげます」
「できるのか? 白台も連れてってもらえるのか?」
「もちろんです。白台もいいわね」
 白台が首を縦に振るのを確認すると、玉藻はすっと白台から降り、正体を現し巨大化した。
 これって……乗れないよな。
 ファンタジーものなどで、巨大な鳥とか龍とかに乗ることがあるが、あれってどうやって乗るんだろう。俺だけなら、しがみついて何とか上までいけなくもないが、白台は蹄なのでそんな芸当はムリだ。
「らーらー!」
 ぴょんぴょんやってきた羅螺は膨れ上がると、体内に空洞を作った。乗れということか?
「玉藻、羅螺はなんと言っている?」
「牛車みたいになってみたから、乗っていいそうです」
 正体を現そうが巨大化しようが、玉藻の声はまったく変わらないし、普通に会話ができる。俺は白台を牽いて羅螺の中に入って行った。命知らずだな。
 空気は大丈夫かという不安はあったが、ちゃんと窓も開いている。白台を乗せるために、牛車を延ばしたような形になっているので、ちょうどバスの中のようだ。玉藻は羅螺を咥えると背中の上に乗せてくれた。羅螺から悲鳴に似た声が聞こえたので、痛かったのかもしれない。
 それからは順調に進んだ。どういう仕組みか少し揺れる程度である。羅螺の体に開いた窓からの風が心地いい。
「白台! 俺たち、風になったみたいだな」
 今回は本気で言うことができた。
 
 衛姥と玉藻が本気で走ったので、数十キロの山道をあっという間に走破した。これなら四国巡礼も簡単かもしれない。現代の四国八十八箇所とはまったく違うし、修行として巡るのでただ行くだけでは無意味なのだけれど。
「みんな、ちょっと止まってくれ!」
 足を踏ん張ってスリップしながら止まる衛姥たち。いや、そこまで急停止しろとは言っていないのだが。
「なあ、玉藻、伊周さまがどこにいるか匂いとか気配で若rないか?」
「あちらにいらっしゃいます」
 いや、そんな大きな前足で指されても、どこだか分からないのだが……
 道らしきものがあったので辿って見て行くと、なるほど牛車があった。どうやら立ち往生しているみたいだ。比喩で、だが。
「みんな、道なりに見て行くと牛車があるんだが、分かるか?」
『見つけたわ』
『あったのぢゃ』
『……見えた』
「みんなで行っても仕方ないから、飛鳥、ちょっと行ってみてきてくれ」
『分かったのぢゃ』
「諾、聞こえるか?」
『はい。衛姥も見えてます』
「今、飛鳥がそっち行ったから、乳帯符で話してみてくれ」
『分かりました』
 まあ、別に秘話機能とかないから、こっちでも聞こえるんだが。それによると、どうやら歩きづめの牛が立ち往生したらしい。比喩ではない。
 食っちゃダメかな?
 筋肉中に乳酸が溜まった状態だと、死んだ直後に死後硬直が襲うことがあり、それが弁慶の立ち往生の理由だとも言われている。
 そして、乳酸が多いと食っても美味くないらしい。いや、弁慶じゃなくて、肉とか魚の話だが。なので、釣り上げた魚を生け簀に1日以上置き、乳酸を代謝させてから出荷するというところもある。逆に、生け簀がストレスになり、かつエサも与えられないのだから不味くなるという人もいる。
 どっちなんだろう?
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