印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page29 -
「みんなの協力を得たいのだが」
「……今夜も?」
「いや、昨日何かあったみたいな口ぶりはよせ」
「で、何? 変な頼みじゃなきゃ聞いてあげてもいいけど?」
「ああ、伊周さまのことなんだ」
「伊周さまがどうかしたんですか?」
「ああ、諾、伊周さまが夕月さんと同じ部屋になってるんだ」
「それのどこが悪いのぢゃ?」
「え? ダメだろ?」
「伊周さまはご主人さまと違って大人ですから、問題ないと思いますが?」
「いや、俺と違って、女の人と一緒だと何かするかもしれないじゃないか」
「……光はヘタレだから手出ししない」
「ほんと、何にも仕掛けて来ないんだから、って、何かして欲しいって意味じゃないんだからね」
「……して欲しいくせに」
「ま、まあ否定はしないわ」
「俺のことはいいんだって、伊周さまなの! 伊周さまはダメなんだから」
「ま、まさか光は伊周さまのことが!? だからウチたちに手を出さないとか」
「違うよ、俺は女の子が普通に好きだから。伊周さまにはある人と夫婦になってもらいたいから、他の女の人は困るんだって」
「でも、それだって伊周さまのお考えによるんじゃないですか? 伊周さまがお選びになるべきです」
 ぐっ……諾が言うのが正論だ。
 史実を曲げまくってる俺が手出しせずに、自然の成り行きに任せるのがいいかもしれない。
「分かった、そうだな、諾の言う通りだ。自然の成り行きに任せるわ」
「そうね、ウチたちのように」
「……ヘタレに任せてると何にも起きない」
「まったくぢゃ」
 いつから飛鳥まで入って来てるんだ? お前関係ないだろ。
「じゃ、まあ寝るか」
 
 草木も眠る丑三つ刻。
「光、光」
 ん? 誰だ?
「光、起きてください。光」
 今夜は月明かりで少しは見えている。
「もしかして、伊周さまですか?」
「はい、私です」
「何事でしょう。もしかして夕月さんが何か仕掛けてきましたか?」
「本当に光は何でもお見通しですね」
「いえ、これは普通に誰でも思いつくことだと思いますが……ここだとみんなを起こすと悪いので、外に出ましょう」
「分かりました。光は優しいですね」
「いや、もう起きたから。今度は何があったの?」
「……伊周さまが光に夜這い」
「ち、違います。私が夜這いをかけらそうになったので逃げてきたのです」
「伊周さまはめのこがお嫌いぢゃったのか」
「だから、違います。私には心に決めた人がいるので、他の人とそういう関係になりたくないだけですから」
「それって、さっき光さまが言ってらしたまんまじゃないですか」
「光には分かっていたのですね。やはり信頼できる男です」
「その人ってもしかして、重光さんところの人ですか?」
「ええ、もう少ししたら夫婦になろうと誓い合っていますから、もう言ってもいいでしょう」
「重光さんとは誰ぢゃ?」
「源重光さんは参議で……あーっ!」
「……安眠妨害」
「夜中に大声を出さないでよ」
「まさかとは思いますけど、検非違使別当けびいしのべっとうってことはないですよね」
「検非違使別当を兼務されてますが?」
 やっちまった。
 ……思い出したよ、正三位さんみ 中納言 検非違使別当 源重光。この人、何十年も参議で検非違使別当もやってる。来年、大納言になって、その大納言を再来年には伊周さまに譲るんだ。
 変なことはしてないつもりなんだけど、人形劇のとき、後始末のために適当に声をかけた中に検非違使別当もいたんだ。伊周さまの義父になる人に舞台を運ばせちまった。
「あの、伊周さま、人形劇の舞台を重光さまにも運ぶの手伝ってもらっちゃいました」
「見ていましたし、運んだと言われてもいましたよ」
「玉藻を捕まえるときに言ってくだされば良かったのですが。あの時は何か他人行儀にされていたので」
「あの時はまだ、でしたし」
「そう、ですか」
「何やってんの、あんた検非違使別当って知ってて舞台を運ばせたわけぇ?」
「……論外」
「言い逃れできぬのぢゃ」
「大丈夫です。面白いやつだと笑っておられましたから」
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