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Update 2014-07-01
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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page31 - |
夜中に騒ぎが起きるので、朝は少し遅くなる。
毎度のことなのと、いつも丑三つ刻なのは事実なので仕方がないだろう。 みんなが揃ったのでブリーフィングを始めた。 まず峠の近江側、伊勢側の両方に通行禁止を言い渡し、誰かが道で番をする。2里程度ずつ離れてればいいんじゃないかな。人がいないのを確認できたら工事をするが、まずは峠を半分くらいは削りたい。ビームが出るか確認できていないし、いきなり試すのも危ないので、工事は手とか足を使うだけだ。材木がもったいないから、伐採して近江側に降ろしておくことにする。峠を削った土で埋めたりしながら道を作り、よく踏みしめていく。 ということでメンバーは、伊勢側担当は諾、近江側担当が夕月、玉藻は人がいなくなったか確認する係、羅螺は伐採係、ゆかりとしずかと飛鳥は衛姥で、これはその都度指示するからな。 俺たちは朝食を食べてから行動することにした。人形劇をやってなどと考えていたのだが、持って来ていなからまあいいか。 国司たちに別れを告げ、まずは伊賀の隠れ里へ。牛を返して、信長に予定を話すと、猴と狗も使っていいと言う。牛車に伊周さまと諾、夕月に乗ってもらって、諾たちは麓で降ろし、伊周さまは京まで衛姥でお連れする。これは飛鳥が担当。猴と狗はゆかりが伊勢側に連れて行く。しずかは俺と峠へ。 俺は峠に陣取り、行き交う人になるべく早く下るように言っていた。羅螺としずかで伐採して、切った木はしずかが伊勢側に運んでいる。 人手だと相当な期間かかるだろう伐採も、こいつらだとすぐだった。ゆかりが戻ってきて手伝ったのもあるだろう。 そうこうするうち、飛鳥も戻り、人通りもなくなった。玉藻に人がいないか確かめて回ってもらう。OKだ。 「じゃあ、峠を削るけど、伊勢側に崩すようにちょっとずつ蹴ってみてくれ。あんまり力を入れて飛ばないように注意すること。まず巨大化だ」 飛鳥はすぐに巨大化していくが、しずかはちょっとずつ、ゆかりはイマイチだった。 「待った、ゆかりは元に戻って、俺を運んでくれ。飛鳥としずかはそれくらいでいい」 ゆかりが来て、おれを手に乗せると、峠が見えるよう尾根づたいに移動する。玉藻も羅螺と一緒に来た。 「飛鳥、ちょっと峠を押すくらいな感じで蹴ってみてくれ」 『分かったのぢゃ』 ずしーん! 震度4。 何度か蹴るが、ちょっとずつしか削れない。 「もうちょっと強く蹴れるか?」 『もちろんぢゃ』 ずっしーん! 震度5弱。流石に山も崩れていく。 それが十分ほど続いた。 俺は山の上にいるから揺れるが、ちょっと離れたところだとそれほどではないだろう。 峠はかなり削れた。百メートルちょっとは下がったように思う。 「今度は飛鳥としずかで、ざっと削ったとことか崩したとこを踏み固めてくれ」 ずしーん、ずしーん。 震度3。 「よし、じゃあ元の大きさに戻って、みんなで道作りだ」 道路補完計画、道幅も広げ、峠を馬車が行き来できるようにする。 重機を使っても大工事なのだが、衛姥だと砂の城作りと大差なかった。 最も良いと思われるルートで道を作り、最後に3体で踏みしめて歩く。これは震度2程度。 これだけやって、わずか数時間しかかからないのは、巨大化の恩恵というものだろう。なるほど、この世を破壊し尽くせるわけだ。 道で番をしていた者を回収し、伊賀の隠れ里に集合した。 「信長、終わりましたよ」 「ああ、ここから見ていた。凄まじいものだな。あれがあったら甲斐の武田とて瞬殺だろう」 「騎馬隊はイッパツでしょうね。動物はそういうの察知するらしいですし」 「真、欲しいと思ってしまうぞ」 苦笑するしかなかった。 大事な牛肉を受け取り、みんなで帰る。俺は信長たちと騎馬で、諾はゆかりが、玉藻はしずかが、牛肉は飛鳥が持って、先に京に戻ってもらった。 |
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