印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page33 -
 信長に今後の話をし、その着手について話した。
「それで伊賀とか甲賀の人間を貸して欲しいんですが」
「兵として使うなら儂に相談して欲しいが、そうではなかろう。いくらでも好きに使うがいい」
「ありがとうございます。実は、金山の前に、石炭が欲しいと思ってまして、山中を探すには、やはりやつらがいいと思うのです」
「うむ、適任だとは思うが、闇雲に探して見つかるものではないぞ」
「いえ、もう場所は決まっていますから」
「どこだ?」
「丹後国は志高という、由良川を二十里、信長の感覚だと2里半ほど上流に行ったところです」
「そこまで分かっているならすぐに探させよう。で、石炭とは何だ?」
 現代人には石炭を解説する必要はないかもしれない。木が倒れ地中にあって年月を掛けて炭素純度が増したものが石炭である。亜炭という石炭になる前のものもあり、純度によって名前が変わる。最高級というか最上級なのは無煙炭で、京の近くで無煙炭が出るのが舞鶴市志高にあった志高炭鉱だと記憶している。もっと近いのもあるかもしれないが知らないのでは仕方ない。山口や九州あるいは北海道などには大きな炭鉱があるが、遠過ぎるのだ。
 鉄やその他の金属を取り出したり、鋳物や硝子などと手を広げていくと木炭だけでは大変になる。だから石炭が欲しいし、コークスにできたらとも思う。俺の感覚では、石炭を炭焼きみたいにしてコークスを作っていたと思うし、その時に出るガスは燃焼させられ、同時にコールタールも副産物として出る。道路舗装計画(道路補完計画の次段階)ができるではないか。
「なるほど燃える石か、話には聞いたことがある」
「それを使うと、木炭をあまり使わなくて済みますしね。話は違うんですが、信長って蝦夷地についてはどう思います?」
「征夷大将軍に任ぜられたら行くのはやぶさかではないが、何も手出しして来ぬ者をわざわざ征伐することもあるまい」
「ですね」
 北海道には炭鉱とか鉱山とかあるけど、やっぱり遠いよな。
「蝦夷地に何かあるのか?」
「ええ、ですがわざわざ行くほどでもなくて。長門とか肥後とかでもいいんですが、それやって、毛利とか島津とかが大国になってたら信長はイヤですよね」
「島津はともかく、毛利は倒さねばならんからな。そういえば、秀吉は毛利とどうなった」
「言ってませんでしたっけ? 毛利軍を追っていた秀吉は、本能寺の変を聞きつけて取って返し、光秀を討ちました。その後毛利は秀吉の下で5大老のひとりになってます」
 実際は年寄とか奉行と呼ばれていて、大老というのは後で付けられた呼び方なのだが。
「お主はまるで見て来たように言うな。儂の軍師にならんか?」
「もし、俺が自分の時代じゃなく、信長の時代に一緒に行ったなら、ぜひそうしてください」
「うむ」
 信長は上機嫌になっていた。
 
 京に着くなり俺は例の牛肉のところへ直行する。ずっと気になっているのは、久々の肉だからなのだが、かと言ってすぐに食べるわけではない。
 こう言うと不気味かもしれないが、死後硬直した状態ではダメで、硬直が解け、かつ、熟成するのを冷暗所(霊安所?)で待つ。置くなら暗い地下室という感じだろうか。まあ、衛姥で持ち帰ったのは音流府なのでそのまま置いておくだけだが。
 匂いはまったく気にならない。衛姥から血の臭いやら腐臭がするのだからだが。
 牛の解体なんてしたこともなければ、テレビで見たこともない。スプラッタ過ぎるもんな。見るのは半身になった枝肉からで、肉塊からステーキを1枚切り出すのは放送可能らしい。
 ともあれ、皮だけは剥いで、専門のところに送り、なめしてもらいたいのでその作業をする。皮を引っ張って剥くだけだが。女の子連中にはやらせられないと思い、唯一そういうことを気にしなさそうな玉藻に手伝ってもらう。自分だけ呼ばれたので玉藻は嬉しそうにやって来た。
 皮の端っこを切り取り、毛だけ溶かせないか羅螺に練習するようにも言っておく。
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