印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
携帯・スマホからもご覧いただけます⇒

第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




  (ルビ表示が正しくない場合)


横 縦     並 大 特大     G M
- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page34 -
 皮を剥く前は牛の死体という感じで、皮をぐのもちょっと不気味に思ったのたが、皮をある程度剥ぐと、牛肉というイメージの方が勝り、不気味さがまったくなくなった。ぐというよりくという感じにもなってくる。
 飛鳥が作ってくれた小刀で縦半分に切ってみる。飛鳥は包丁にしか使うなと言っていたが、大丈夫、実戦には絶対に参加しないから。
「らーらー」
 羅螺の自慢げな声がした。
 見ると、練習用の皮から綺麗に毛がなくなっていた。
 ここで2択である。全部やらせるか、やらせないかだ。練習を見る限りでは問題なさそうだが、イマイチ信用に欠けるのは日頃の所業のせいだろう。
「らーらー!」
「練習したから大丈夫よ、だそうです」
 何も言わなくても玉藻が通訳してくれた。
「そっか、じゃあ羅螺、こっちのも頼むよ。穴とか開けないでくれよ」
「らーらー」
「安心して任せて、だそうです」
 もしかして死亡フラグか? 牛革の。
 皮をできるだけ平らに広げ、羅螺が作業するのを見守る。皮の上を行ったり来たりしていると、みるみる毛がなくなっていった。
「らーらー」
「ひっくり返して、だそうです」
 言われるままにひっくり返しすと、また皮の上を行ったり来たりした。
「らーらー!」
「終わったそうです」
 近づいて見ると、綺麗になめされている。
「らーらー」
「脂とか抜いたから、すぐに使えるわよ、だそうです」
「そうか。ありがとな、羅螺」
 毛だけ溶かすとかでも凄いのだが、皮の中の脂だけ抜くというのはどういう仕組みなのだろうか。やはり考えたら負けというやつか。
 肉に『さわるな』と書いた紙を貼り付けておく。玉藻と羅螺には「食うなよ!」と厳命しておいた。
 
 枕部に行き、諾にいつもの大工に仕事が終わったら来てもらうよう伝えに行かせた。伊周さまの下にいたので、そういう使いっ走りは得意だから助かる。
 次は瑠璃だ。
「今度はなんやの?」
「お前さ、亜鉛って分かるか?」
「焼いて取り出すとかいうのんは読んだことあるけど」
「流石だな、瑠璃」
「えへへ」
 瑠璃は照れている。可愛いじゃないか。
「で、だな、亜鉛を取りだして、銅と混ぜて溶かして、黄銅というのを作るんだ。真鍮しんちゅうっていうんだけどな」
「それは知らんわ」
「それを使って、この前飛鳥に言ってた王冠というのを作りたいと思うんだが」
「三角が21個とかいうやつ?」
「出っ張りが21個な、三角が7つ」
「あ、そうか」
 明延あけのべ生野いくのの鉱山は平安初期から採掘されているところで、随分な山の中だが、既に掘られていれば、精錬するだけでいいから楽だろう。
 銅は鉄より先に利用された金属で、青銅(ブロンズ)は青銅器として使われた。黄銅、真鍮(ブラス)は新しいもので、これは現代でもよく利用されている。ちなみに10円玉が青銅、5円玉が黄銅である。
「まあ、そんときはよろしくな。俺はちょっと作るものがあるから」
「何? 食べ物?」
 NGワードというのがある。言ってはいけない言葉だ。このハイエナの群れの中では、『食べ物』などというと群がって来てしまうのだ。
「違うから、工作だから!」
 だから、ことさら大きな声でアピールしないといけなくなる。
第3巻:page35 < 次  枕部之印  前 > 第3巻:page33

【お知らせ】
広告のお申し込み・当ページプログラム販売など承ります。委細メールにて。
(著作表示より送信)
 
▽ 基礎知識 ▽

平安用語の基礎知識
 
関連用語の基礎知識