印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page37 -
「なるほど、分かりました。立て始めるのはまだちょっと先でしょうが、柱やら板やら見繕って用意させてもらいます」
「あの、今朝、かなりの量の木を切ったんですが、それって使えませんかね?」
「生木は柱とか梁には向きませんが、使えないということもありませんし、板を取るのは大丈夫です。一度見て見ないとはっきりとは言えませんが」
「分かりました、明日にでも運んできます」
「では、荷が着いたらお知らせください。で、さっきの筒なんですが、あれは何に使われるんです?」
 まあ気になるよな。ざっと精米について説明した。
「なるほど、やっぱり凄いですね、この前の唐箕とうみにはびっくりしましたし、考えることが違いすぎて驚くばかりです」
「いえ、そんなんじゃないですから」
 考えたんじゃなくて、知ってるのを言っただけだから。
「じゃ、その回す棒だのを作って、と、第一、外側がないことには動かしようもありませんから、もしよければ、これからここで作業してもいいでしょうか」
「はい。ぜひ、お願いします」
 さっきの場所に戻って、精米器作りの再開となった。
 大抵の男の子は重機とかが好きだし、大工仕事なども夢中になって見ているものである。俺も子供の頃はそういう職人の仕事を飽きずに見ていたものだ。今でも、見ているのが楽しい。この人は俺以外で引くかんなのこぎりを最初に欲しがった人で、それが伝播でんぱして、かなりの人が同じものを使うようになっているそうだ。
 普通は自分の大工道具がいいのだろうが、同じものだからか、作業はスムーズに進んでいく。
「この鉋がいいですよ。押すのに比べて、引く方が力加減がし易いですし」
「ですね。俺は引くのじゃないとだめなんで、作ってもらったんですよ」
「鋸だって、ぺなぺなのを押すんじゃ力が入れられなかったのが、引くのにしたら面白いように切れるんですから」
「気に入ってもらえてよかったです」
 そんな話をしているうちに、どんどん出来上がっていく。
「手回しのところは、力が入るようにしてください」
「分かりました」
 上から米を入れる漏斗ろうと(じょうご)があって、ぐるぐる回って出てくる。今のところ米と米ぬかが一緒に出てくるのは仕方ない。
「できました」
 このくらいだと簡単に作っちゃうんだな。
 ちなみに、六角形の筒は、あれだと強度が足りないだろうと、細く切った布でぐるぐる巻きにして、糊を塗って、もう一度布で巻くという念の入れよう。
 できたのだからやってみたいよな。
 あるんだ、うるち米が。
 存在を確信して市の連中に言ったら、すぐに持って来たのだが、精米できないのでそのままにしてあったのである。
 精米器を厨房に運び込み、に受けるようにして、やってみた。あまりキツいと回らないかもしれないと、ゆるく作ってあるので、1回で白米にはならないが、2回通すと立派な白米になった。大成功!
 ふるいでできるだけぬかを落とし、ぬかも後でぬか漬けに使う。
 米をとぎ、水加減をして、土鍋で炊く。蓋は土鍋用ではなく、お釜用のに似せて作ったものだ。下手過ぎて、直角の前では恥ずかしいが、まあいいだろう。
 始めチョロチョロ中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣くとも蓋取るな、最後にワラを一握り、パッと燃え立ちゃ出来上がり。
 多分、みんなが食うので、一升ほど炊いた。米や豆など、大抵の穀物は、なぜか量が多いほど美味くなる。
 米は蒸らすのも重要だが、その後、水分を飛ばすのも重要だ。おひつに移すことで、余計な水分が飛び、かつおひつに吸収もされる。時折、炊き立ての御飯が美味しいなどという人がいる。釜で焚いて、おひつに移したならそれもありだが、炊飯ジャーではしばらくして水分が落ち着き、粗熱が取れた方が美味いと思う。
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