印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page38 -
「飯が炊けたけど、食うか?」
 対面キッチンになっている枕部の厨房から、誰へということはなく言った。
 一斉に振り向く顔。光る瞳。恐っ!
 ハイエナの群れに囲まれた子鹿の気分だ。蛇足だが真のハンターはハイエナで、ライオンはそれを横取りすることが多い。
 すぐにお膳が用意され、箸も配っている。そういう連携プレーは完璧と言っていいだろう。ちゃんと俺や直角の分も用意しているのは流石だ。
「お前ら食うなら、手ぇ洗えよ!」
 言われてみんな素直に手を洗っている。
 料理をしたわけでもなく、飯を炊いただけなので、とりあえずおかずとして漬け物を出して切った。これだけでは何だから、きゅうりを粗みじんに切って、軽く塩をして揉み、山葵わさび醤油をからめて、揉み海苔を散らした。これは俺のなんちゃってかっぱ丼の具だ。かっぱ巻きをちらし寿司にしたようなもので、口に入ればほぼかっぱ巻きを食ったのと同じになる。
 飯を盛って、実食。
 んー、久々の白飯だ。炊き加減も上々である。
「何これ? 美味しい」
「……こんなの初めて」
「光兄ちゃん、ウチ、これ好き」
「こんなんどうちゅうことないやろ……美味いがな」
「枕部に入ってよかったです」
「だめぢゃこれは。食べ過ぎる」
「美味しいです。うちでもこれにしてください」
「ほんと美味しい、ご主人さまは天才ね」
「らーらー」
 羅螺まで食ってるし。味、分かんのか? 夕月ってまだ仮採用なんだけど、まあいいか。
 もち米を蒸した強飯も美味いが、毎日だとちょっときつい。でも、白飯というのは毎日食えるよな。逆にひとつぶも食べない日の方が何か満ち足りない気さえする。飽きずに毎日食える、それが主食というものだろう。
「いや、本当に美味いですね。あの精米器は凄いです。同じのを作ってもいいでしょうか?」
「まだ完成じゃないんですよ。本当は外側を鉄にして、ぬかが落ちるようにしたいんですけど」
「分かったのぢゃ、明日までに作るから、どういうのがいいか図に書いておくのぢゃ!」
「急がなくていいから。飛鳥は馬車の方を先に頼むな」
 お代わりしたりして、あっという間に御飯がなくなった。
「ごちそうさまでした。うちで使うのに、やっぱり精米器を作ってもいいでしょうか?」
「ええ、それなら構いません。気に入ってもらえてよかったです」
「いえ、私こそ、枕部の仕事に関われて本当に幸せ者ですよ」
 ではまた明日と、直角は帰って行った。直角が精米器を作るなどというものだから、ゆかり、しずか、飛鳥、夕月も発注していた。売り出そうかな。
 
 後片付けをすると、ちゃんと夕月も洗い物をしている。
「夕月ってさ、料理できる?」
「はい。母さまに仕込まれてますから、一通りはできるつもりです」
 もしかしたら、枕部初、料理のできる女の子の登場か?
 いや待て、もしかすると、料理が得意とか言って激マズというのも考えられる。明日にでもテストしよう。
「ねぇ、あんたさ、何を食べたらそんなになるわけ?」
 ゆかり、まさかいじめじゃないよな。
「何のことでしょう?」
「胸よ、何でそんなに大きいのよ!」
「何でと言われましても、他の人と違うと言えば、父さまが好きで一緒に毎日飲んでいる牛乳でしょうか」
「分かったわ! 牛乳ね」
「そっか、牛乳なのかぁ」
「……牛乳、飲む」
「それ牛乳なんや」
「らーらー」
 一応、デリケートな問題なので、誰が言ったのかは伏せておく。
 多分だが、俺の予想だと意味ないぞ。子供の頃に飲んだのが効いてくるというならあるかもしれないが、大抵は遺伝じゃないか? 身も蓋もないけど。
 さて、飯も食ったし、もうじき夕飯だから帰るかという、訳の分からないことを言って解散した。
 明日もやることがあるから、ちゃんと来いよ。
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