印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page40 -
 帰ると、すぐに食事だった。
 伊周さまがひどく不機嫌である。
「あの、伊周さま、どうされたのですか?」
「何でもありません」
「あの、ちょっとご機嫌斜めという感じなのですが?」
「ええ、それがどうかしましたか?」
「何があったのか教えていただけませんか?」
「いいでしょう。──光、あなた今日、新しいやり方で飯を食べたそうですね。枕部みんなと」
「はい、食べましたが」
「私は食べていませんよ」
「はい、召し上がっていません」
「私にも食べさせてください」
 そういうことか。笑っちゃいけない。食べ物の恨みは恐ろしいというのは本当なのだ。
「済みませんでした。たくさん炊いたのですが、美味い美味いとみんながお代わりするもので、なくなってしまいました」
「そ、そんなに美味しいのですか?」
「食べ物ですから、人によって好みがあると思いますが、初めてで珍しかったからではないでしょうか。明日には、必ず明日の夕食にはご用意しますので」
「駄目です。朝食に枕部に行きますから、そこで食べさせてください」
「承知いたしました」
 伊周さまだと、何か料理もしないといけないか。なんちゃってかっぱ丼じゃ悪いもんな。
 
 問題は飯に合うおかずは何か、だ。
 俺は、とんかつとか生姜焼きが合うと思う。あと、筋子とかたらこといった魚卵系や塩の効いた焼鮭。イカの塩辛とかも合う。というか、和食は基本的に御飯に合うようになっている。絶対的に合うのは、おにぎりの具になっているものだろう。合わないものは具にしないからな。
 俺が合わないと思うのは、甘い煮豆。甘いものをおかずにという意味が分からない。かぼちゃとかも同様だ。嫌いというのではなく、ご飯のおかずとそてでなければ普通に食べる。飯と合わない証拠に、どこのコンビニに行っても、煮豆やかぼちゃのおにぎりは売っていない。定番といえば、鮭、たらこ、梅干し、マヨ……
 それだ!
 よし明日は市に行こう。
 
 朝である。
 まずやるべきは諾をたたき起こすことだ。
 そういえば、諾の部屋って初めて入るな。
 そろーり。
 いや、違うだろ。外から声を掛けないと。
 そろーり。
 いつも見る諾とはかなり違う。体型が分かるものを着ているからだろうか。まあ、前に胸は見ちゃってるけど。やっぱり女の子なんだな、あんまりぞんざいに扱うのは止めよう。そう思った。
 やっぱり寝姿を見るのはマズいだろうと、外に出る。
 そろーり、そろーり。
──どんどんどん!
「諾、起きてるかー! 悪いけど手伝ってくれ!」
「あ、はい光さま、ただいま参ります」
 低血圧とかじゃなさそうだな、すぐに動いている。
「お待たせしました」
「悪いな、起こしちゃったか? 今日、伊周さまが枕部で昨日炊いたのと同じ飯をご所望なので、市に行くんだけど、付き合ってくれないか?」
「はい、喜んでお供します」
「よし、着替えたら出てきてくれ、ゆっくりでいいからな」
「あの、今日の光さま、何か優しいですね」
「そ、そうか? 同じだとおもうけどな」
「優しくされたら、もっと好きになっちゃうじゃないですか」
 どきっ!
 か、可愛いかも。
「じゃ、頼むな」
 そう言って逃げるように自室に戻り、着替えを済ませた。
 
 鶏のところへ行く。朝晩玉子を探しているのだが、今日は必要なので、産んでいてくれることを祈っての捜索である。
 やった、2個ゲット!
 門の前に行くと、諾はもう来ていた。
「待たせたな、じゃ行こう」
「はい」
 ふたりだけで連れ立って歩くのは珍しい。行きも帰りも方向は一緒なのに。まあ住んでるところが一緒だからだが。
「なあ、諾ぃ、俺たちって一緒に住んでるのに、何で行き帰りは別々なんだ?」
「えっと、一緒に住んでるからですけど」
「意味が分からないのだが」
「ですから、一緒に住んでいて、行き帰りまで一緒だと、お嬢さまとかに妬かれると悪いと思いまして」
「そうか? 一緒に住んでる方が凄くないか?」
「住んでるのは前からそうですが、前の仕事のときは別々だったのに、枕部になったら一緒というのが多分マズいかと」
「もしかして、何か言われたのか?」
「いえ、そんなことはありません。それに私だって」
「だってって?」
「何でもありません」
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