印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第3巻:page45 -
 しばらく後、息を切らしたゆかりが飛び込んできて、タッチの差で、モトちゃんが戻ってきた。
 ドヤ顔のゆかり。
 何からのレースでもしていたかのようである。
 続々と帰ってくる選手たちだった。
 さて、どうしよう。集めろと言ったが、こんなにいらないぞ? ひとり2個は持ってるし4個くらいのもいるから20個は越えているだろう。
「なあ、ちゃんと新鮮な、今日のやつを集めたんだろうな」
「当然でしょ?」
「……今、産ませた」
 どうやったんだ?
 なぜ、新鮮さを求めるかだが、ひとつはもちろん衛生的な安全のため。もうひとつは、有精卵なので、割ったらもうじきひよこというのを避けたいからだ。元気なひよこが出てくるならいいのだけれど。国によってはそういうのを茹でて食すのだが、俺はダメだ。ちなみに、フィリピンではバロットといってよく食べられ、ベトナムではホビロンというがあまり食べないとも聞く。中国にもあるが漢字だと意味が分かってしまうのが困る。喜蛋、活蛋はまだしも、毛蛋、破胎蛋、死胎蛋となるとどうだろう。なお、日本でもアジア食品専門店などで売られている。
「なあ、飛鳥、これってすぐに作れるか?」
 俺が聞いたのは泡立て器のことで、ひとつじゃ大変だからだった。
「一回作ったから、それほど大変ではないのぢゃ。必要ならすぐに作ってくるが?」
「明日の朝にもうふたつくらいあるとありがたいんだが」
「分かった、すぐに取りかかるのぢゃ」
「じゃあ、今日は解散な。明日も朝には来てくれ。ちょっと、諾だけ残ってくれるか?」
「はい、光さま」
 しばらく待っても誰も帰らない。
「何で帰らないんだ? お前ら」
「……諾だけ何か食べるといけないから」
 食いもんばっかだな。色気より食い気なので助かってるのかもしれないけど。
「食わないよ。大工の直角のとこ行って、材木のとこに案内するのに諾にも来てもらうだけだ」
「なーんだ」
 モトちゃんまで、食い物狙いだったのか。
 安心したのか、わらわらと帰り出した。
 
 大量に焼くとなると、やっぱりオーブンを使うべきだろうと考えた。ちょっと確認しておくか。
 中を見てみるが、異常なし。試しに薪も燃やしてみる。
 と、血相を変えて連中が戻ってきた。
「な、何をやってるの!?
 何のことだ?
「……煙が見えた」
かまどのやなかった」
「違うって、明日これを使うのに、初めてだから火を燃やしてみただけだ。何にも作ってないから」
「ふぅ、何だ心配して損したのぢゃ」
 そんなにか!
 火を消し、今度は一緒に外に出た。これで疑われることもないだろう。
 
 直角を訪ねるとちょうどいたので、材木を見てもらおうと諾に案内させた。凄い量の材木が置いてあった。材木を見慣れている直角が「こ、これは……」と言葉を失うくらいだ。
「諾、これって運ぶの大変だっただろ、何往復くらいしたんだ?」
「行って持って来ただけですけど」
 10メートルを超すのが百本を超える量があるのに、1回で運んだのか?
「身の丈一里ほどになったそうです。凄いですね」
 それは凄いが、周辺住民的にはどうだ?
「家を潰したとか、人を踏んだとかはなかっただろうな」
「そこは慎重にやったみたいです。ただ、湖は増えたとか言ってましたけど」
 何!?
「直角、悪いけど木を調べてもらえますか? 俺はちょっと見に行ってこないといけないので」
「分かりました」
 踵を返すと白台のところへ向かった。
 
 行くぞ、白台!
 琵琶湖の周りには昔、内湖と呼ばれる大小の湖が数十点在していたという。それがちょっとだけ増えていた。地盤の緩いところでは穴ができている。民家や農地は避けたようだから、まあいいか。
 惨状を考えていたので、それほどでもなかったことに安堵した。
「凄いでんな」
 声のする方を見ると、馴染みの振り売りだった。
「何があったんだろう、不思議なこともあるものだ」
 ちょっと白々しいが知らない振りをしておく。ついでに、明日の朝、きゅうりを20本くらい届けるように言っておいた。
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