印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page6 -
 モトちゃんが一緒なのでゆっくり歩いて行った。
「ねえ、あたしも羅述ラノベ書くから」
「ゆかりに誘われたのか」
「前のも読んだけど、あたしが書いたらもっと凄いのが書けると思うの」
「そうか、どんなの書くつもりなんだ?」
「んとね、超絶美少女のあたしを好きだった人が死んじゃって、その人が転生して時を超えて迎えに来るとか?」
「ああ、そう」
 よくあるパターンに俺を当てはめたってことだな。
「それとか、超絶美少女のあたしを好きだった人が死んじゃって、幽霊になっても守っててくれるの」
「ああ、そう」
 よくあるパターンだが、『超絶美少女のあたしを好きだった人が死んじゃって』は確定なのな。
「ひとつだけ言っておくけど、光源氏というのは使用禁止な。ゆかりが使うから」
「何でよ! ゆかりはよくて、あたしはダメなわけ?」
 だって、光源氏って紫式部の方が先で、俺がパクったんだから、とは言えないな。
「先にゆかりが使ったからだよ。そういうのは早いもの勝ちなんだ」
「じゃ、あたしは一条光にする」
「ああ、まあ、それなら、いい、けど」
 
 枕部に着くと、昨日から仕込んでおいたものを取り出した。
 比べてみようと実験的に作ったのだが、スルメを塩麹と酒粕に漬けたものである。
 どっちも常さんからもらってきたものだ。塩麹は枕部でブームになっていて、色んなものを漬けたり和えたりしている。まあ、俺は作るブーム、やつらは食べるブームという差はあるが。
 ついでにぬか床をかき混ぜておく。ぬかを追加しているので、結構な量になってきた。
 スルメを盆に載せて急いで戻る。
 うち(道隆さまの屋敷)の厨房も何度か使っているから慣れたものである。
 熾火おきび(薪の燃え残りの炭火)でスルメを炙ると、反り返ってくるので、ひっくり返してそれを防ぐ。あまり焼くと硬くなるので、炙るくらいがちょうどいい。
 モトちゃんも手伝って、手で割いて皿に盛った。
 部屋に戻ると、道隆さまはちびちび飲んでいて、あまり酔われていなかった。モトちゃんのお母さんも来ていた。
「待ちかねたぞ! これは何だ?」
「イカの干物を漬けたものです。こっちは塩麹というもので漬けて、こっちのは酒粕に漬けたものです」
「なるほど。どれ」
 口に入れて、む、これはなどと言いつつ、もう一方も食された。
「光、これはいかん」
「お気に召しませんでしたか?」
「いかん、イカだけに、いかん、これは酒が進むぞ!」
 だよな。タウリンとか体に良いんだけど、スルメって酒の肴の王様だもんな。シャレをスルーしたのは、スルーメだからだ。
 それでも病というのを気にされたのか、大酒は飲まれなかったから言ったことはムダではないだろう。
「硬いのんが、柔らこぅなって食べやすいわ」
「お母さんはどんな食べ物がお好きなんですか?」
「またお母さんやて。せやったらうちの人はお父さん呼ばな」
「いえ、そういう意味じゃないんですが、どう呼んでいいのか分からなくて」
「せやねぇ、ウチは貴子言うんよ。キシ呼ばれるのは好かんから、タカコて呼んでな」
「貴子さまですね。分かりました」
 前に定子さまが純粋な京都弁じゃない感じがして、宮中に入ってから覚えたのかと思ったのだが、聞いていると貴子さまの喋りに似ているな。
「で、貴子さまは何がお好きでしょう」
「芋? それと甘いもん?」
 なぜ疑問形?
「あの、羅螺焼きって御存知ですか? モトちゃんも作れるんですが」
「それは知らんわ」
 そう言ってモトちゃんを見た。
「だって、あの鉄の鍋がないとできないでしょ? だからまだ……」
 モトちゃんは弁解していた。
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