印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page13 -
 伊周さまもいらしたので、道隆さまの挨拶とかあった方がいいですかと聞くと、お好きなのでやらせてあげてくださいと言われた。
 しばらくして道隆さまもいらしたが、主上がまだなのでちょっと待ってもらう。
 あでやかな、定子さまなど数名の女性が登場、うちひとりは主上だが、まったくバレていない。
 まずは、道隆さまが挨拶されたのだが、長いので割愛。
「さあ食おう!」
 俺の一言で牛食い祭が始まった。
 凄い人数になったが、道隆さまとか偉いさんもいるので、実に礼儀正しく混乱もなかった。
 枕部が何かやってる、それだけでも人が集まってきていて、ざっと500人くらいにはなっているだろうか、主催者(俺)発表だが。実際、結構な混雑で、ぎゅーぎゅー詰めだった。牛だけに。
 思ったよりわさび醤油が不評だったのは、慣れていないからだろう。知らないで食うとつーんと来るので、それを面白がって、来たばかりの人に食べさせるというのが流行っていた。醤油は本当はないのだから、わさび醤油なんてあるはずがないものなのだ。
 枕部の中でもさやと諾と夕月はかなり手伝ってくれて、どんどんシュラスコを切って、塩を振って焼いて切ってを繰り返し、俺はステーキを追加で焼いていたりもするが、やっぱり肉食に慣れていないのかそんなに食べないな。
 道隆さまの傍に伊周さまと定子さまたちがいるのでゆかりとしずかもいて、主上もいらっしゃるので、玉藻を警護に置いている。今は子供の姿になっているのは、周りを油断させるための作戦だ。
「どうです、お召し上がりですか?」
 俺は主上に伺った。
「ええ、食べてますわ。美味しいものですわね」
「な、何ですか、それ? 定子さまのご指導なのでしょうか」
「ウチちゃうて、ゆかりとしずかがそれがええ言うて、練習しはったんよ」
「練習、ですか」
「何、ダメなわけぇ?」
「……お嬢さま言葉にしてみた」
「どう、かな。まあ、お前らの真似じゃないのは良かったとは思うけど」
「ウチの真似は難しからなぁ」
「それってお母さんの喋り方と同じですよね」
「ちゃうよ、母さまがウチの真似始めたんよ」
「え? そうなんですか」
「まあ、そうだな。まったりした喋りは変わらんが」
 道隆さまが会話に入ってこられた。すぐ傍だもんな。主上が変装していることも御存知なので、離れないようにされていることもあるかもしれない。
「摂政が御酒を召さないなんて、珍しいですわね」
「今日はまあ、しかし化けられましたな」
「まあ、人を物の怪か何かのように、おっほっほ」
 主上ノリノリだな。
 まあ、楽しんでもらえたなら十分だ。
 
 日が傾くころに終了を宣言し、枕部のものは枕部へ、大膳職のものは大膳職へ、その場にいた者全員で片付けた。
 重光さんは率先垂範だと仰ってた。
 主上や道隆さまは先に枕部に入って休んでもらっている。手伝わせることはできないし、やると言われるともっと困るからだ。
 片付けが終わって俺も休憩に入る。
「光、これを何とする!」
「な、何ですか!?
「ふふふ、決めましたわ。妾はたまに変装して里の様子を見に参ります。これは帝の決定ですわよ」
「まだ、そっちの世界にいらっしゃるんですか!」
「ウチが言うても、いっこも戻ってえへんのや」
「どうすんのよ、光、あんた何とかしなさいよ!」
「お、俺のせいじゃねぇー!」
 とはいえ、仕方ないので化粧を落とし、着替えてもらう。
 着替えはないから、俺のをお貸しした。
「はっ、ここはどこです?」
「いやいや、そんなわけないでしょう、主上」
 平安人は騙せても、俺には通じない。
「そ、そうですね。朕ともあろうものが、あのようなことになるとは。女装とは恐ろしいものです」
「大丈夫ですから、ここにいる者しか知りませんし、変なことはされていませんから」
「そうですか。すみませんが舎人を呼んで着替えを持たせてください」
「私が参りましょう。用もありますので」
 そう言って伊周さまは出て行かれた。
 ほどなく舎人も駆けつけ、主上や定子さまもお帰りになられた。
 洗い物は明日にして帰る。
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