印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
携帯・スマホからもご覧いただけます⇒

第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




  (ルビ表示が正しくない場合)


横 縦     並 大 特大     G M
- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page14 -
 翌朝、前日の喧噪が嘘のようないつもの枕部である。
 ひとかけらの食べ残しもなく、舐めるようになくなっていたのは、実際に羅螺たちが舐め尽くしたせいである。皿は土からできているので溶けないから残ったものを食べていいと言ったのだ。
 京の夏は暑いというが、まだまだ暑い日が続いている。
 妙だ。
 江戸時代は寒くて、現代は急激に暑くなっているなどというが、平安時代はそれ以上に暑いように感じる。実際、暑いから布団なんていらなくて(ないけど)、畳の上に薄手の内着一枚で寝ているのが気持ちいいくらいだ。
 気候ってどうだったか、以前読んだものを思い出していた。地球温暖化について調べて、西暦1000年前後200年は現代と同じかそれより暑かったというのがあったっけ。平安時代が寒いというのは室町・江戸時代との混同だろう。関ヶ原から江戸中期が一番寒かったようだ。
 大体の傾向として動物は、温かいと大きく、寒いと小さくなるという。江戸時代に人や家畜が小さかったのは、食べ物もあるかもしれないが、寒かったからではないだろうか。
「諾ぃ、ちょっと」
「あ、はい、ただいま参ります」
 諾だけが呼ばれたので、話し声がぴたっと止み、みんなが耳を澄ませて聞いている。
 いや、そんな凄い話はしないので、楽にしていてもらいたい。
「はい、何でしょう?」
「なあ、冬ってどんくらい寒い?」
「また突然ですね。結構寒いですけど」
「昼くらいにはそれほど寒くなくなるって感じか?」
「まあ、天気によりますけど、陽が射せばそれなりに」
 当たり前だな、質問の仕方が悪かったか?
「また妙なことを言い出しておるようぢゃな」
「あんた、冬は寒くて、夏は暑いって子供でも知ってる常識よ」
「俺だって知ってるよ! えっと、さや、陸奥むつとかって冬は寒いのか」
 聞いているのが分かっているから、近くにはいないけど聞いてみた。
「なぜ私に陸奥のことを聞かれるのか分かりませんが、寒いと聞いています」
「……陸奥の冬が寒いのも常識」
「だな。質問の仕方が悪いのかなぁ。雪ってどう?」
「冬は振りますね、たまに」
「降るときは降って、そうでないと降りませんわね」
 夕月、そんなことは誰だって分かる。
「どのくらい降る?」
「降るときは結構降りますよ。地面が見えなくなりますから」
「すぐに溶けるのか?」
「溶けるときは溶けますし、寒いと何日も残りますけど」
「当たり前やん、何が聞きたいんか分からんわ」
「それフツー」
 モトちゃんまで。
「『雪のいと高う降りたる』つったら、どんくらい降ったって思う?」
一尺30センチくらいでしょうか、滅多にそんなに積もりませんけど」
「まあせいぜい五寸15センチぢゃな」
「最後にひとつ、これって読める?」
 さらさらとはいかないが『遺愛寺鐘欹枕聽 香爐峰雪撥簾看』と書いて見せた。
「あ、はい。白居易ですね」
「なるほど。参考になった。みんなもありがとな」
 当然のことばかり聞かれて、みんな困惑気味になっているが、光だから仕方ないと言い合っている。
 最後の暗号の意味が分からないと、諾に詰め寄るゆかりたちだった。
 何がしたいかというと、さとうきびを植えたいのだが、京都だとどうかと思ったんだ。
 現代と同じくらいみたいだから、以前見た気温グラフは合っているということだろう。
 さとうきびは育っても、甘さは日照や気温に比例するから、甘くならないんじゃ意味がない。薩摩とかで育ててもらうか。
 
「それより、光、硝子ガラスのことぢゃが」
「おう、どうなった?」
「型とろぅらは作ったのぢゃが、どうやってあれで瓶にするのぢゃ?」
 ろぅらというのはローラーのことだな。鉄だけだと重そうなので、柿の木を芯にして、厚めの鉄板を巻いてぴかぴかに磨いてくれと言ったのである。
「言っただろ? 吹いて膨らませるって」
「吹くという意味がわからないのぢゃが」
「ん? あ、言ってなかったか、鉄の筒って作ったか?」
「何のことぢゃ?」
「そうだな、こんくらいの太さの竹みたいなのを鉄で作って、それに硝子を付けて吹くんだ」
「それを最初に言うて欲しかったのぢゃ。ふーふー吹いておったのぢゃ」
「ごめん、ごめん。当たり前過ぎて言うのを忘れてた」
「まあよい。それならあるから、今から吹いてみるのぢゃ」
「ああ、行こう!」
 飛鳥と一緒にガラス工房、飛鳥の鍛冶の一角だが、に向かった。
第4巻:page15 < 次  枕部之印  前 > 第4巻:page13

【お知らせ】
広告のお申し込み・当ページプログラム販売など承ります。委細メールにて。
(著作表示より送信)
 
▽ 基礎知識 ▽

平安用語の基礎知識
 
関連用語の基礎知識