印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page18 -
 十分遊んだので、今回みんなは来なかった。
「瑠璃、黄銅ってどうなってる?」
「結構大変やったよ、亜鉛は取り出せたと思うけど、確かめようないやん」
「そっか、じゃあやってみてだな。飛鳥の方の王冠の型ってどうなってる?」
「ヘコんだ方は作ったのぢゃ。光は砂でと言うて機械を作ったが、砥石を加工してそれで削ってみたのぢゃ」
「なるほどな。まあ、片方だけでも小さい木槌とかで叩いても形になるんじゃないか?」
「うむ。そこはわれに任せるのぢゃ」
「おう、頼むな」
 などと話して、飛鳥のところに着くと徐冷具合を見に行った。
 まだちょっと熱いが、大丈夫じゃないかな。蓋を開けて更に冷ましておく。
「黄銅作ってみようぜ。銅と亜鉛を混ぜて、るつぼで溶かそう」
「炭を入れるから待ってるのぢゃ」
 ふいごから空気を送って、炭を熱く燃やした火が上に出る、コンロのようなものを作って、周りや上の方が熱くならないように珪藻岩で囲ってある。珪藻岩は多孔質なので熱伝導率が低いのだ。ちなみに、この多孔質を利用して珪藻土ニトログリセリンを染み込ませたのがノーベルが発明したダイナマイトである。
 目分量で2割強の亜鉛と8割弱の銅を入れ、溶かしてみる。
「計らんでええの?」
「ええんちゃう?」
 料理で培った俺の目分量を甘く見るなよ、瑠璃。
「ときどき、光は人の言葉が移るのぢゃ」
「仕方ないのぢゃ、移っちまうのぢゃ」
「そこは移ってしまうのぢゃ、ぢゃな」
 どうでもいいけどな。
 るつぼを炉の中にセットして、ふいごをふーごふーごして温度を上げていく。
 やがて亜鉛から溶けてくる。
 亜鉛の融点は419.58℃、銅は1083.4℃なのだが、溶けた亜鉛が触れた銅は溶けているようだ。単純に言うと、銅が多いほど融点が下がって、2割くらいの亜鉛だと1000℃くらいの融点になったと思う。合金って、溶けたらかき混ぜた方がいいんだろうか。
 って、飛鳥は鉄の細い棒(火箸)でかき混ぜてるし。鉄の融点は1535℃だから溶けないからいいのか。
 燃えると書いたダイヤモンドだが、酸素がないと当然燃えない。その状態で温度を上げると、3550℃で溶け始める。温度を下げるとダイヤに戻るかというと、戻らずに普通の炭素の塊になってしまうのでやっちゃダメだ。
 これもどうでもいいことだけどな。
 飛鳥がもういいぢゃろと言うので、るつぼを出して冷ましておく。
「大変ぢゃな、その王冠というのを作るのは」
「だな。これを叩いて延ばして板にして、型に入れて作るんだから。普通は鉄にすずメッキしたものを使うんだけどな」
「何……ぢゃと?」
「え? だってメッキってやり方が分からないだろ?」
「よし、光、いいものを見せてやろう」
 飛鳥は奥に行き、何かを持って来た。
「これが何に見える」
 そう言って飛鳥が持って来たのは、ブリキだ。鉄に錫をメッキした薄い板である。へぇーこの時代にもうあるんだ。
「ブリキっていうか、錫メッキした板かな」
「そうじゃ、これは鍍錫としゃく(錫メッキのこと)したものぢゃ。これでいいなら苦労はなかったのぢゃ!」
 滅金というのは、水銀に金属を溶かすことから言われたもので、アマルガムにして擦り込んで、最後に水銀を加熱により蒸発させるのである。そう言われてみれば、大仏とかにアマルガムでメッキしてたようにも思うが、俺としては水銀を蒸発させるというのがかなり怖いことなので、やろうとは思わないが。
「何や、そんなんでええのか、頑張って損したわ」
「いや、違うぞ! 黄銅はいいぞ、いろいろ作れるし、綺麗だし」
「光でも知らぬことがあるということぢゃな」
「まあ仕方ないやん、光やし」
 仕方ないじゃないか、知らないことだってあるさ。
 サクっと王冠の形に飛鳥が叩いて作った。流石は鍛冶のプロだな。
「ふと、思ったのぢゃが、これをどうやってはめるのぢゃ?」
「打栓器でだよ、って、ないじゃないか」
「またか」
「あんま続くと笑われへん」
 打栓器の構造なんて知らないから、おふたりに考えてもらうことにした。要は、上からしっかり押さえて、21個のでっぱりが内側に折れ曲がればいいんだけど。、
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