印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page19 -
 それはさておき、瓶の方も見てみることにする。
 ほんのり温かいが、ヒビは入っていないからいいだろう。
 目立てヤスリの角でキリキリとやって、パキンと落とし、尖ったところを更にヤスリで削った。それをさっきの炉の炎で先だけ温め、溶け出したところでやめると、なめらかな瓶の口になる。
「まだ熱いけどさ、ここのところに王冠を被せて、こっちの方にギザギザで留めてやるんだ」
「なるほどのう」
「そんなんで気ぃが抜けへんの?」
「中にコルクとか入れるんだけど、そんなのないよな」
「聞いたこともないのぢゃ」
「この前栓にした木を薄く切って入れたらどうやの?」
「それにしてみよう。どうやって王冠を締めるかが先だけどな」
「何を偉そうに言うとるのぢゃ」
「うちらで考えるから任しとき」
「ああ、頼むな」
 板ガラスを見ると、真っ平らとはいかないが、手作り板ガラスなんだからいいだろう。
「あの、申し訳ないのだけれど、錫って結構あったりする?」
「頼めば入るが、それがどうしたのぢゃ」
「折角、ローラーを作ってもらったんだけどさ、錫があるともっと簡単に板ガラスができるんだよね」
「何……ぢゃと?」
「いや、ほら、失敗は成功のマザーだって長嶋さんも言ってたし」
「光語ではぐらかさんといて」
「もう諦めたのぢゃ。で、それはどうやるのぢゃ?」
 口で説明するのは大変だから、移動して紙に書いて説明した。
「そんなことで平らな硝子ができるとは」
「今度、何があるのか教えんとあかんな」
「うん、頼む。まさか錫があるって知らなかったから」
 さて、何をしようとしているかというと、錫を溶かした上に、溶かした硝子を浮かべて冷ますというだけ。比重が違うからガラスは錫の上に浮いて、当然、重力によって錫の表面もガラスもほぼ平らになるというわけだ。ほぼ、というのは地球は丸いから、地球に沿った球形の断面になるということ。板硝子くらいだと真っ平らと言っても問題ないくらいだけど。
「また炉が必要じゃな。どのくらいの大きさが必要じゃ?」
「御簾と同じくらいが理想だけど、最初は板海苔くらいでもいいし」
「喩えが食べ物なのはやっぱ光やね」
「まあ、それくらいなら何とかなるのぢゃ」
「なあ、さっき考えたんだけど、フイゴをさ、こうふたつ合わせて、こんな風にくっつけたらどうだ?」
「ここはどうなるのぢゃ?」
「板をさ、こう合わせて、例えば、大きいのを作るなら……」
 ふいごをふたつ、向かい合わせにして、片方が下がると他方が上がる、いわばシーソーみたいにしたらどうかと思ったんだ。風が途切れずに送れるのと、シーソーとして遊べるから。
「たたらもふたつで風を途切れさせず送るが、これなら疲れないかもしれないのぢゃ」
「おいどは痛ならんの?」
「子供の遊び道具にあるし、かわりばんこにやれば大丈夫じゃないか?」
「うむ。これならゆかりたちもやりそうぢゃな」
 シーソー式フイゴと炉を作ったり、錫を入手したりがあるので、また後日となった。
 折角作った板硝子だから、使わないのももったいない。1枚の中でも奇跡的に平らな部分というのはあるので、そこを切り出していく。曲金さしがねを当て目立てヤスリで傷を付けて折るだけだ。折っただけだと手が切れるので、ヤスリで丹念に平らにして面取りもする。
 硝酸銀があれば銀鏡反応を使うところだがないし、錫メッキでいいのか分からない。さくっと試すなら銀箔とか貼り付けるのがよさそうだが、金箔の方がいいかもしれないな。
 これは、鏡を作ろうというわけだ。
 鏡はあるが、銅鏡で、それなりに映るのだが、ガラスでちゃんと映したらもっといいんじゃないかと思ったのである。銅鏡は触ったら大変という面倒なものだから、気軽に拭けるガラスは喜ばれるだろう。
 透かして歪みのない部分を使えばできるんじゃないかな。
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