印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page20 -
「なあ、金箔ってある?」
 金箔を採用することにして、聞いてみた。
「少しは置いてあるが、素人は扱えんのぢゃ。言えばわれがやろう」
「ああ、頼む、ここに貼って欲しいんだけど、その前に」
 木の棒と板でガラス板を入れるものを作った。最終的には表に装飾した板でも貼れば見栄えも良くなるだろう。
「金箔を貼った方を内側にして置いてくれ」
「分かった、やってくるのぢゃ」
 風があるとダメだというので、奥に入って行き、ほどなく金箔を貼って戻ってきた。
「恐ろしいものを作らせたものぢゃ」
「何? どんなん作ったの?」
 普通の鏡なのだが、くっきり映るから恐ろしいのだろうか? そりゃお前の顔だぞ。
 一応、ガラスを押さえる板をして、完成。
 プロに頼めば、もっといいものができて、欲しがる人は多いだろうと思う。
「金だと黄色いから、銀だとだめなん?」
「やってみないと分からないな」
「よし、やってみるのぢゃ」
 もうひとつ作って、同じく飛鳥から銀箔を貼ってもらう。
 鍛冶だというのに、何でもやる奴だな。
「できたのぢゃ、これはどうぢゃ?」
 少し輝きに欠ける気もするが、金より色が付かない分、かなり自然に見える。
「これもアリやね」
 ガラスを押さえる板をした。折角だから、もっと見栄えを良くしてもらうか。修理職に行けばそういう職人もいるだろうから。
「な、こういう鏡もいいだろ?」
「鏡か、そうぢゃな、鏡ぢゃな」
「映り過ぎるのんはどうやろ」
「いいに決まってるじゃないか。銅鏡って磨いて、錫メッキ、鍍錫としゃくするのって映すためじゃないのか?
「銅鏡を鍍錫するぢゃと? ふむ」
「違うのか?」
「銅鏡に滅金はせんけど?」
「いや、やってみるのも面白いのぢゃ」
 銅鏡に錫メッキされてたのは知っていたが、もっと後の時代だと思っていて、ところが錫メッキがあったのでやっているのかと思ったのだが、余計なことを言ってしまったかもしれない。
 もうじき夕食だから俺は鏡を持って帰ることにした。
「じゃあまた明日。どうやって栓をするか頼むな」
 
 帰って自室に行き、着替えて、鏡を見る。
「何、それ」
「これか、これは鏡だ」
「へぇー、見せて」
 モトちゃんが来るのは想定済みだから驚くこともない。
すごっ! キモっ!」
「あのな、それがモトちゃんだから、キモくないだろ? 可愛いだろ?」
「そっか、光から見るとあたしは可愛いんだぁ」
 まあ、喜んでるからいいか。
「この前の方にさ、ちゃんと飾りみたいなのを付けたら、結構立派になりそうだろ?」
「それなら仏具とかの彫り物している人がいいかも」
「そうだな、明日にでも行ってみるよ」
「うん。いいよ」
 別に許可をもらおうというのじゃないんだが。
「それちょっと母さまにも見せていい?」
「ああ、いいけど、落とすと割れるから気をつけてな」
「じゃ、光が持ってよ。ご飯食べに行こ」
 一緒に行って、貴子さまがいたので鏡を見せた。
「まあ、えらい綺麗な人が映ってはること」
 の、ノーコメントでいいですか?
「こっちの白いんもええけど、黄色んも面白いなぁ」
「白い方が銀で、黄色い方が金です。メッキじゃなくて、箔を貼り付けただけなんで、イマイチですけど」
「それでも映ってる人の美しさは変わらへんから」
「そ、そうですね」
「これって何で映るんやろ、ウチ気になるわ」
「えっと、説明した方がいいですか?」
「そのうちな。どうせ聞いても分からんやろし」
「そうですか」
 なぜ、鏡に姿が映って見えるか、鏡面の反射だけを話すべきか、目や光の性質まで話すべきか、まあ詳しく言っても理解してもらえないのは同じかもしれないが。
「ほんまおもろいわ、後ろはどないなってんやろなぁ」
 持ち替えようとして、つるっと鏡が落ちた。
 咄嗟のこと、無意識に時間を止めていた。行って鏡をキャッチすると時間が動き出した。
「え? 何で?」
「光、あんたここにいたのに、どうして鏡を持ってるのよ」
「いや、咄嗟だったんで」
 俺だって時間を止めたのはひさびさだし、説明のしようがない。
「かんにんなぁ、手ぇが滑ってもうて」
「大丈夫です。割れなかったし」
「何か隠してない?」
 いぶかしがるモトちゃんだが、それに関係なく飯になった。
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