印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page22 -
 彼女たち(主にゆかり)がすっかりでき上がった頃、酒が絞られて来た。
 瓶に詰め、水飴を追加して栓をして、よく振ってみた。酒が漏れるようではガスなんて簡単に抜ける。とりあえず大丈夫そうだ。
 また酒蔵に置かせてもらおうと思ったのだが、持って帰るというので、だったら音流府の方がいいんだがというと、じゃあそうするという。音流府は秘密基地じゃなくて、食品倉庫化しつつあるな。うち専用のを作るべきかもしれない。
「すみません、常さん、ここにあった酒をあいつら飲んじゃったんですが」
「あ、そうですか、まあこっちのを継ぎ足しておけば同じものですから大丈夫でしょう」
「もしかして特別のものでしたか?」
「中身は普通ですよ、摂政様が絞りたての生酒を所望されたので、絞っておいたものです」
「そうですか」
 なら、まあいいか。
「何でも、婿と今宵は飲み明かすと言われましてな。旨いところを頼むと仰って」
「婿と? 飲み明かすんですか?」
「ははは、大変でしょうなぁ、どなたかは存じませんが摂政様はお強いから」
 俺だ、多分。
「あの、継ぎ足さないでおくことってできませんか?」
「とんでもない、そんなことをしたら私の首が飛びますよ」
「ですか」
 量が少ないならいいかとも思ったのだが、そうも行かないか。
「水飴ってどんな感じか聞いてますか?」
「ええ、もう完璧だとか自慢してましたな。米のより甘いと評判もいいとかで。一昨日おとといの祭のときは、麦芽が2・3日で良い状態になるが、お声がかからないとまた水飴にするとか言ってましたな」
 というか、声をかけてから初めて欲し勝った。水飴になるのでいいのかもしれないが。
「おふたりの都合のいいときに仕込みを始めたいのですが、いつがいいでしょうか」
「明日でもかまいませんよ、もし何なら準備をして、あいつにも知らせておきましょう」
「ぜひ、お願いいます」
 常さんに礼を言って、ビール瓶(透明な小瓶だが)を1本づつ持って音流府に歩く酔っ払い軍団だった。
 
「明日は伊周さまの用事で留守にするので、みんなも休んでもらってかまわない、では、解散!」
 と言ったからといって、帰ってくれたことは一度もないのだが。
「で、明日はどこに行くわけ?」
「目が据わってるぞ、ゆかり。それは秘密だ」
「……多分、酒の仕込み」
「ああ、当たりだ、しずか」
「ならあたしも行かなあかんね」
「そうだな、瑠璃も頼む」
「忙しいのぢゃが、関係者としては行くべきぢゃな」
「そうか? まあ来るなとは言わないけど」
「伊周さまのご用なら私もいかなくてはなりませんね」
「そうだな、諾。来てもらうと助かるかな?」
「ならば私も行きます」
「え? さやも?」
「でしたら私も」
「夕月も?」
「しょうがないわねぇ、みんなが行くならあたしも行くわよ」
「モトちゃんまで?」
「妾はいつもご主人さまのお側におりますゆえ」
「らーらー」
「じゃ、いいわね、牛車の手配といなり寿司確保の担当を決めるわ。ついでに配車もね。しずか、準備は?」
「……阿弥陀籤、完成」
「行くのはいいけど邪魔だけはすんなよ! てか、手伝えよ!」
「でもいいの? お父さまと飲み明かした翌日に行ける?」
「ああ、大丈夫だ、明日は仕事だからあまり飲めないとちゃんと言うから」
「ムリだと思うけどなぁ」
 そうか? モトちゃん、俺もそう思う。
「なあ、玉藻、羅螺って土系は溶かせないけど、土を掘ったりするのが得意なのっているか?」
土竜もぐらが得意です」
「ああ、確かにそうだろうが、なぞなぞじゃないんだが」
「何なら今から呼び寄せますが」
「土竜をか? ちなみに、それって妖怪?」
「ええ、捕まえたときに、食べないでくれたら言うことを聞くというので逃がしたのがいます」
「それって、音流府みたいのって作れるか?」
「音流府を作ったのがそやつですが」
「よし、呼んでくれ!」
「承知いたしました」
 玉藻は何かを唱えているようだ。
「ねえ、揺れてない?」
「ゆかり、酔っ払ってるからじゃないか? って、ちょっと揺れてるな」
「来ました、ご指示をどうぞ」
「あ、そういうことか。じゃあ玉藻に説明するから、土竜に伝えてくれ」
 図に描いて説明した。必ず図にするのは勘違いを防ぐためである。
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