印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page24 -
 これを清涼殿まで繋げて欲しいと定子さまが言い出した。
 流石にそれはどうだろう。帝に聞いてからじゃないとマズいよな。
「ほな、ウチが聞いてくるわ。待っててな」
 ぱたぱたと出て行く定子さま、最近のパターンだ。
「なあ、お前たちって、今でもよく来るのか?」
「ほぼ……」
「毎日」
「……来てる」
 わざわざセリフを割るな。ちなみに、さや、ゆかり、しずかの順。
「えー、あたしだってたまにしか来ないのに」
「だよな、肉親以上に会ってるってどういうことだろうな」
「仕方ないんです。定子さまは『やっぱりさやの顔みぃひんと落ち着かへんわ』と仰って」
「そうよ『ゆかりがおらんと、静か過ぎてあかんわ』って言われてるんだから」
「……あたしにも『しずかはホンマにしずかやねぇ』と」
「いや、しずかのは関係ないだろ」
 それにしても、みんな真似が上手いな。
「あたしになんか『原子はええねぇ、うちでも仕事でも好きな人と一緒にいられて』って言われてるわ」
「まったく関係ないよな」
「あります。その『うちでも』はかなり関係あります」
「そうね、どういう意味なのかよーく聞いてあげるわ」
「……光は摂政さまのところに移った」
「「何ですってぇ!」」
「あれ? 言ってなかったっけ? 伊周さまに追い出されて、道隆さまのところにいさせてもらってるんだ」
「ま、まあ仕方ないわね」
「そうですね、摂政さまのところでは不埒なこともできないでしょうし」
「しないよ、モトちゃんにも、あかねにも」
「あかねは関係ないでしょ? 伊周さまのところにいるんだから」
「光はね、お兄ちゃんのとこからあかねを連れて来たんだよ」
「俺が増える分、世話をするのが必要だからってことらしいぞ」
「それについても、後でお話してもらいますから!」
「はい……」
 何にも悪いことはしていない、つもりなんだが。
「まあ、いいじゃない。正妻のあたしが許してるんだから」
「あんたね、まだ言ってるわけ? 正妻はウチで、さやさまが2番、3番目以降で阿弥陀籤でもしたら?」
「はぁ? 分かってないようね。あたしが正妻で、さや姉ちゃんが2番で、あんたが阿弥陀籤でしょ?」
「どっちにしても私は2番なんですね……」
「いや、こいつらが勝手に言ってることだから」
「賑やかですねぇ」
 入って来たのは帝だった。
 流石にみんなが居住まいを正し、頭を垂れる。
「楽にしてください。何かに備えて隠し通路を作るそうですね」
「あの、主上おかみ、秘密なので、もう少し小さな声でお願いできますでしょうか」
わかりました。その場所を決めてきたんですが
 もの凄く小声になる帝だった。
「そこまでされなくてもいいと思いますが」
 強烈な既視感デジャヴが襲ってくる。
 くすくすと定子さまは笑っていらっしゃった。
 
 場所が清涼殿ということで、俺はいいが他は入れない。羅螺なら持ち物ということでいいだろうと、羅螺を肩に乗せ(溶かすなよ)て行く。羅螺と精神感応によって玉藻がそこにいるのと変わらないのだとか。よく分からないが。
「ここですけど、どうでしょう」
 帝が言われたのは、御簾の中だった。
「あの、入ってもいいのでしょうか」
「構いませんよ、誰も入れないなら、ここは朕が掃除したり修理したりしないといけませんから」
 そりゃそうか。ちょっと失礼して。
「あの、御簾を下げてもいいでしょうか」
「あ、秘密でしたね。下げてください」
 違うんです。御簾を下げたらどんな風に見えるか見てみたかっただけなんです。
 なるほど……こう見えるわけか。どんなかというと、スダレ越しに見た感じそのままんま。
 当たり前か。
「ここを外して……どうです?」
「なるほど、玉藻、どうだ?」
『いいみたいだよ、お兄ちゃん』
「では、よろしいですか、主上」
「はい、お願いします」
「玉藻、掘ってくれ」
 ぼこ、言い終わるかどうかというくらいで、もう穴が空いている。
「す、凄いんですね」
「はい。でもご安心ください。妖怪とはいえ、主上のために働くことを誓ったやつらですから」
 嘘だけど、嘘じゃない。俺は帝のために働いて、俺の言うことを絶対的に守る(勘違いはするが)なら同じことだろう。
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