印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page25 -
「では、行ってみましょうか」
「え?」
 ものおじしないな、やんごとない人って。
「折角ですから、歩いてみましょう。明かりが要りますね」
 燭台にロウソク(松ヤニなので、松明たいまつチックな匂い)を挿し、火を点け、どんどん降りていく帝。
 後を追うが、板を元に戻すことも忘れない。
 階段を下り、多分こっちだろうという方に歩いて行く。
 モンスターとか出ないよな。一応、先頭は羅螺だ。ほどなく、明かりが見え、階段を登ると定子さまのところだった。
「もう来たん、やっぱり便利やわ」
 まあご自由にお使いください。
「なあ、玉藻、枕部の方はできてるのか?」
「うん、最初に作ったよ。音流府の通路はどうするの?」
「そうだな、じゃ、行くか」
「あのね、通路って暗かった?」
「ああ、当然、真っ暗だな」
「じゃ、ところどころに狐火を置いとくね」
 眼下の階段の中がぼーっと明るくなった。
 折角だからとその通路から枕部地下まで行ってみることにする。帝と定子さままで勢いで同行されることになった。
 一応、板を元に戻しておこう。おふたりにも、使われるのはご自由ですが、板は戻さないと秘密じゃなくなりますからと言っておく。
 
 狐火のいいところは熱を出さないことだろう。どういう理屈か分からないし、現代科学でも解明できないと思うが、かなり便利なもので、食料庫としては温度が上がらないのがありがたい。ふと、雪女とかの知り合いがいてくれると食料庫的には助かるのだがと思ってしまった。聞くと連れて来そうなので、言わなかったけれど。何度も口にしかかっている事に「羅螺の色違いはいるのか」もあるが、聞いたら負けだ。
 広いところに出るが、行き止まりである。宝箱くらい置いとけよ、じゃなくて、階段がないと困る。
 戻るのも何なので、どこに出ると一番いいか考えた。階段下のデッドスペースに扉を付けて何か収納しようと思って使っていないところがあった。階段下なら階段を作るのにいいだろう。
「玉藻、ここから階段の下の扉のとこに、2階の階段と同じ向きに階段作れるか?」
「同じ向きに? 扉の辺りは平らな方がいい?」
「そうだな、入ったところは平らで、その先が階段で下りられるのがいいな」
「分かった……できたって」
 早いな。
 見ると、この部屋にも横に出口ができ、その先に階段がある。
「よし、上ってみるか」
 上がると、ちょうどいい具合に階段が作られていた。
 いいな、これ。厨房からもすぐだし、通路脇でもあるし、ベストだろう。まあ、階段があるところなのだから通路として良い位置なのは当然なのだが。
 突然そんなところから出てきたのでみんな驚いていて、後ろから定子さまと帝がいらしたので更にびっくりしていた。
「俺は別のところに通路を作りに行きますが、主上はどうされますか?」
「朕も行ってもいいのでしょうか?」
「多分、誰からも文句は言われないと思いますが、そのお姿ではちょっと」
「せやったら変身やね」
「ささ、こちらへ」
 そうか、この前脱いだ着物は取ってあるからな。さやが率先してやってるのは定子さまのご意志だからということだろう。定子さまの着付けもしていたのだから手慣れたもので、すぐに帝に着付けてしまった。化粧だって早い。プロの手際だな。
「さあ、参りますわよ! 光の君」
「はい……」
 また枕部に妙なの(良い意味です、主上)が入ったという噂が流れるのだろうか。いや、定子さまがいるからそっち方面で勘違いしてもらいたいが。
 モトちゃん、定子さま、さやと並んで、それからゆかりとしずか、その後ろに帝の左右に俺と玉藻、後は他の連中が続く。定子さまを目立たせたのは、帝に目が向かないようにであり、一応警護も考慮している。
 また枕部がという声が聞こえるが、気にしたら負けだ。日に数回は行列しているので、いいかげん慣れてもらいたい。この日、枕部行列と呼ばれているのを聞いた。
 門をくぐるが、門番は流石に慣れたもので、枕部一行だと分かればスルーである。
 入り口の祠から階段を下り、司令室へ。帝は初めてなので、ちょっと驚いていた。
 俺は良さそうな位置を示して言った。
「この辺りってどうだ? 玉藻」
「深さ的にちょっと階段ができるけど、いいみたい」
 もうボコっと穴が空いている。
 これで帝も定子さまも簡単に帰れるようになったな。ついでに肉だの酒だの、食料の移動も簡単である。
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