印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page31 -
 翌朝、枕部の前には2台の牛車と、荷車が置いてあった。構造的に言うと、エンジンに相当するのが牛なのは同じだが、牛車は人を乗せるのに対し、荷車は物を載せるという違いがある。
 言うまでもなく、牛車は枕部用で、荷車は常さんたちだった。
「おはようございます、光さま」
「あ、常さん、おはようございます」
「光さま、おはようございます」
「長さんも、おはようございます。すみませんね、朝から」
「なぁに、お安いご用で」
 枕部の連中はというと、また阿弥陀籤で配車を決めている。
「今日は、俺は白台だぞ」
「ダメに決まってるでしょ、もう籤までやってるんだから」
「伊周さまが馬でいらっしゃるから、それに同行しなきゃいけないんだよ。おひとりって分けにはいかないだろ?」
 理由がはっきりしていて、筋も通っているので反論はできないみたいだ。
「じゃ、決まったら先に行ってくれ、俺は伊周さまと向かうから。常さんたちもお願いします」
 文句をいいつつも、牛車に乗って出発する一行だった。
 枕部に入ると、さやがひとりでいた。
「あれ、さや、一緒に行かなかったのか?」
「おはようございます。ええ、行くのもあまり重要ではなさそうですし、それなら定子さまのお世話がしたいと思いまして」
「そうか、だよな。あいつらのは完全に遊びだから」
「で、お話の続きですが」
 ちょっと目つきがキツくなった。
「な、何の?」
「全員の胸を調べたというのはどういうことですか?」
「あ、それねぇ、違うんだ。穏宮寺おんぐうじって知ってる?」
「はい。北にある尼寺なら知ってます」
「そこに方違えで泊まったんだけど、ちょっと事件が起きてさ」
「尼寺に泊まれるんですか?」
「ああ、伊周さまが泊まられるので一緒に」
「で、事件が起きたと」
「そう、伊周さまが襲われて、その犯人を捜したんだ」
「何でそれが、胸を調べることに?」
「何者かを俺がぎゅって掴んだんで、誰が犯人か調べるということになって」
「光からそう言い出したんですか?」
「違うって、ゆかりたちが、俺に全員調べろって言ってきて」
「なるほど、そうですか。分かりました」
「そうか、そりゃ良かった」
 犯人を聞かないのは、それはどうでもいいということだろうか。普通は気になるよな。
「原子さまと一緒に住んでいるというのは?」
「それは、伊周さまのとこに女の人が来るので、俺を道隆さまのところに移されただけだよ」
「なるほど、納得しました」
 ちょとトーンが和らいだ感じで、表情もいつものさやになった。
「では、私も調べていただきます」
「え?」
「全員を調べるなら、私もでしょう?」
「いや、あそこにいなかったから犯人じゃないし、大体、犯人はもう判ってるのに」
「どうやって調べたんですか?」
「胸を出してもらって、傷とか色が変わってないかよく見て、それから両方を掴んでその感触がそのときと同じかとかだけど」
「ここでは何ですから、地下へいらしてください」
「マジでやるの?」
「当たり前です!」
 嫌じゃない、ていうか嬉しいはずの事なんだけど、あんまり喜べないな。
 階段を下りて、向かい合った。
 躊躇することなく、するっと着物をはだけ、胸を出すさや。きっとそうしようと決意していたからだろう。まあ、お母さんなんだから、授乳とかしていると子育てが一番になって、恥ずかしいという間隔が薄れてるのかもしれないけど。
「よく見てください」
 分かりました、見ましょう、どれどれ……
 夕月ほどじゃないけど、大きい。けど、子供を育てたっていうのが分かってしまうのは俺が専門捜査官だからだろうか。
 すっと手を伸ばして掴んでみる。
 こ、これは!
 大きさといい、弾力といい、羅螺そっくりだった。あの場にいたら犯人だと誤認していたかもしれない。
「どうですか?」
「犯人のに、そっくりだった」
「え? 犯人って誰ですか?」
「羅螺だけど」
 一瞬、誰のことなのか分からなかったようだ。羅螺と胸というのが結びつかなかったからだろう。
「羅螺ですか……次は私の番ですね」
「な、何が?」
 私の番って、俺の胸を調べるってことだろうか。
「私が調べる番ということです」
 そう言うと近づいてきて、着物の裾を開こうとした。
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